新幹線の車内販売で人気のスゴイカタイアイス 販売縮小の判断は正しいのか

新幹線のアイスクリームはコーヒーとのセットがお得。食後の楽しみだ。(筆者撮影)

 新幹線で車内販売されるスジャータのアイスクリーム。「シンカンセンスゴイカタイアイス」などと呼ばれ、子供からお年寄りまで愛されている人気商品だ。

 そんな中、6月30日に北陸新幹線でこのアイスクリームの販売が終わった。東北新幹線などでも、すでにこの販売を終えている。残るは、東海道・山陽新幹線だけになった。

売れ行きは好調

 共同通信の報道によると、東海道新幹線などの車内販売のアイスはこの半年で前年比3~4割増で推移しており、売れ行きも好調だという。筆者も東海道新幹線に乗車し、アイスを購入した際に車内販売の人に「売れていますか?」と聞いてみると「よく売れています!」という返事が返ってきた。「シンカンセンスゴイカタイアイス」は、車内販売の人気商品なのだ。7月には新製品も投入されるという。

 このアイスは、車内販売でも溶けにくく、味わいを豊かにするため、含まれる空気を減らし脂肪分を高くしている。おそらく、ハーゲンダッツなどの市中で売られているアイスよりも味わいが濃厚なのではないだろうか。

 新幹線でしか食べられない、濃厚なプレミア感のするアイス。近年ではそのおいしさが口コミで広まるようになり、さらに売れるようになっている。

逆境にさらされる新幹線のアイス

 そんな中で、今年に入ってから、JR東日本を中心に車内販売の縮小を行う鉄道会社が現れた。車内販売の営業区間を削ったり、品数を削ったりと、全体的に扱うものを減らす傾向にある。

 とくに減らされているのは、コーヒーやアイスクリーム、駅弁といった生ものである。売れ残る場合のリスクもあれば、鮮度の関係で扱いにくいということはわかる。ただし、生ものこそ車内販売で求められるものではないか。

 新幹線のアイスは、溶けにくくはできているものの、やはりアイスクリームであり保冷などの管理をしなければ販売できない。そういったことが、車内販売の事業者にとってはめんどうくさい、ということはよくわかる。

 アイスクリームを販売商品から外す、というのは合理化の観点からは理解できるものの、車内販売員を乗車させておいて、販売するのは駅でも売られているようなペットボトルの飲み物やお酒、おつまみなどというのでは、かえって車内販売の利益を得る機会を逃すのではないか。

販売はジャストタイミングだった

 新幹線のアイスは、車内販売にやってくるタイミングがちょうどいいものである。駅から出発しあらかじめ買っておいた駅弁を食べ、ゆったりとしていると、車内販売がやってくる。そこでコーヒーとアイスを注文する。食後のデザートとしてタイミングがいいのだ。この瞬間だからこそ、アイスの販売というのはもっとも合理的なのである。

 JR東日本の新幹線ではアイスの販売をやめる一方で、駅売店で取り扱うようになっている。この場合買ってから乗車し、すぐ食べ始めないと(食べるのに時間がかかるとはいえ)品物としてはだめになってしまう。駅弁と同時にあわただしく食べる、ということにもなる。

 その意味では、東海道・山陽新幹線でコーヒーとアイスクリームの販売を残しているというのは合理性がある。

 JR東日本の車内販売では、車内販売事業者でもあるNRE(日本レストランエンタプライズ)がJR東日本サービスクリエーションに移管されたという事情もあるかと思われるものの、生ものであるこれらの商品の販売をなくすというのは、非常に惜しい経営判断である。

 車内でしか味わえないものだからこそ、車内販売で扱うべきものである。この「シンカンセンスゴイカタイアイス」のプレミア感を強調した売り方を、新しい業者はもっと考えるべきだったのではないか。

 東海道新幹線の車内販売事業者であるジェイアール東海パッセンジャーズは、コーヒーに力を入れ、アイスの販売も継続している。そして車内販売でものを買う人の多くが、これらの生のものを注文している。生のものこそ、車内販売の強みではないだろうか。

訂正 タイトルおよび本文「スゴクカタイアイス」を「スゴイカタイアイス」に修正します。また、NREの車内販売が新業者に移管したことを受けてそのことも反映させました。