今夜NHKで放送開始!「なつぞら」「映像研」に続くアニメをつくる人々の物語「SHIROBAKO」とは

劇場版「SHIROBAKO」キービジュアル(筆者撮影)

昨年放送された朝の連続テレビ小説「なつぞら」、そして今年放送されたアニメ「映像研には手を出すな!(以下「映像研」)」。両者の共通点として、“アニメをつくる人々を描いた物語”ということが挙げられます。

近年そうした作品を取り上げてきたNHKが、今夜新たに、もうひとつの“アニメをつくる人々を描いた物語”を放送開始することが発表され、話題となりました。

”アニメ制作の現場を舞台に、それぞれの夢を追う5人の挑戦を描くアニメ”  「SHIROBAKO」です。(※@nhk_animeworldより)

■「SHIROBAKO」とは

SHIROBAKO」とは、2014年に製作されたオリジナルアニメです。(※そのため今回は再放送となります)

メインキャラクターは、高校のアニメーション同好会で自主制作アニメを共に作った5人の女性達。

彼女たちは、将来また一緒に、今度は商業アニメを作ろうと誓いをたて、それぞれ制作進行・アニメーター・声優・CGクリエイター・脚本家を志し、アニメ業界に飛び込みます。

タイトルのSHIROBAKO=シロバコとは、出来上がったアニメを納品するための真っ白な箱に入ったビデオテープ(DVD等となった現在もそう呼ばれている)のこと。

本作は、このシロバコの完成を目指して日々奮闘するアニメ制作現場の日常と、そこで夢を追うメインキャラクター達の姿を描いた群像劇となっています。

■「なつぞら」や「映像研」との違い

冒頭で挙げた通り、「なつぞら」と「映像研」、そしてこの「SHIROBAKO」の共通点は、“アニメをつくる人々を描いた物語”であることです。

しかしそれは、イコール“どれも同じような作品”という訳ではありません。

むしろこの3作の面白いところは、同じ“アニメをつくる人々を描いた物語”でありながらも、各作品で絶妙に異なる角度からそれを描いていて、それぞれが異なる特徴をもっている点だと思います。

例えば「なつぞら」ならば、まだ“アニメ”という言葉や概念が今のように使われていなかった日本のアニメ黎明期に、“アニメ制作そのものが発明・開発されてきた過程”も描かれているのが特徴で、「映像研」は、アニメ制作(製作)の様子が描かれつつも、クリエイターやプロデューサーといった個々の役割を担った登場人物達の活躍を通して、創作の根源的な面白さやわくわく、葛藤や生みの苦しみなどがより深く描かれているのが特徴です。

そしてこの「SHIROBAKO」は、同じ“アニメをつくる人々を描いた物語”でありながら、“アニメづくりを社会見学”ができるところが魅力であり、特徴だと思います。

■アニメづくりの社会見学とは

今ではすっかり一般的にも楽しまれるようになったアニメですが、そうした作品のひとつひとつが、現在どのような過程でどんな人々によって作られているのかについては(あまりにも複雑でアニメファン、時には関係者であっても把握が難しいのもあり…)あまり知られていません。

そんなちょっとしたブラックボックスとなっている“アニメができるまで”を、物語を楽しみながら、まるで“アニメができるまでの社会見学”をしているように知ることができるのが「SHIROBAKO」の面白いところだと思います。

『今みているアニメは放送までにどんな過程を経てつくられているの?』、『OPやEDにクレジットされている役職の人たちってどんなことをするの?』、『ひとつの作品にはどんな会社がかかわっているの?』といった純粋な疑問の答えなど…。

こうした機会がなければ“アニメづくり”について知ることが無かった人達も、思わず『へぇ』と興味を惹かれるような舞台裏の知識も満載です。

もちろん、この作品自体もひとつのアニメであり、決してドキュメンタリーではありませんので、フィクションゆえの展開や描写も出てきます。

しかしそれでも、社会見学しに来た人たちが楽しみながら分かりやすく“アニメができるまで”を知ることができるうえに、現場の想いを知ってこれからアニメをみる目が少し変わっていくこともあるかもしれない…と思えるほど、本作はアニメ制作の現場をとても真摯に描いた真っすぐな作品であると思うのです。

もうひとつ、本作は“アニメをつくる人々を描いた物語”としてだけでなく、現場で働く登場人物達の姿をみながら、広く“お仕事もの”として楽しめることも魅力です。

“アニメづくり”と聞くとどうしても特殊なお仕事とも思われがちですが、そこで働く人々の苦労や葛藤、将来への不安などはきっと働く人ならば共感できる部分も多いと思います。

“アニメづくり”の現場を覗けて、お仕事ものとしても楽しめる「SHIROBAKO」。

「なつぞら」や「映像研」を楽しんでいた人も、アニメが好きな人も普段はあまりみないという人も、未視聴の方はこの機会にぜひ、楽しんでみてください。