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最新作「オブリビオン」で50歳を迎えたトム・クルーズの若さ!!

清藤秀人映画ライター/コメンテーター
「オブリビオン」5月31日(金)TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー

トム・クルーズが5月31日公開の最新作「オブリビオン」の撮影中に、遂に50歳のバースデイを迎えた。昨年7月3日のことだ。その日、監督のジョセフ・コシンスキーから映画で使われたカスタムメイドのモトバイクをプレゼントされたトムは、同じく劇中に登場する小型飛行艇<バブルシップ>のミニチュア(ガラスケース入り!)を監督に贈り返したという。撮影中に育まれたであろう監督と主演スターの信頼関係を物語るエピソードである。

50歳とは思えない若々しい皮膚感

エイリアンの侵略を受けて半壊した2077年の地球で、人類の存亡を賭けて戦う戦士の孤高を描く「オブリビオン」は、ロケーションとCGIを巧みに合体させた空間演出と縦横無尽に躍動するカメラワークで、"崩壊後の地球"という使い古された設定に飽き飽きしたSFファンの視覚を覚醒させてくれる。だが、それ以上に刺激的なのはトム・クルーズ本人がもたらす視覚効果だ。圧倒的な筋肉量と低体脂肪率を誇るボディラインは相変わらずだが、今作では、特にその肌の美しさに目を奪われる。多用されるクロースアップで頬の毛穴から目尻の小皺までカメラに晒しながら、どのショット、アングルも観客の鑑賞に耐え得るレベルをキープしていることに、感心させられるのだ。本当にこれが50男の皮膚だろうかと、思わず疑いたくなる程に。因みに、映画サイトimdb

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によるユーザー調査でも、「トム・クルーズがまだ愛される10の理由」の9番目に、彼の若さがランクインしている。

それはまるで往年のハリウッドスターの有り様!?

つまり、トム・クルーズは依然、見せる映画スターとして機能していると言うことだ。彼が築いたスターダムは、かつては不可能だったキャラクターアクターとマネーメイキングスターの両輪で稼働するジョニー・テップとも、セレブリティという形容の草分けとして仕事と私生活が否応なく一括りで語られる運命にあるブラッド・ピットとも、明らかに違う。幾つかの例外を除いては、出る映画はすべて主演作、且つイベントムービーとして市場に提供される一方で、私生活はどこかミステリアス。これは、紛れもなくスターの実像が薄いベールに包まれていた時代、そう、黄金期に君臨したハリウッドスターの有り様ではないだろうか。

「バニラ・スカイ」(01)の中で、何かから逃れるように人通りが途絶えたタイムズスクエアを全力疾走したトム・クルーズが、「オブリビオン」ではモトバイクに股がってアイスランドのブラックサンド・ビーチを激走する。その姿に、役柄とトム自身の心情を重ね合わせるファンは多いに違いない。"最後のハリウッドスター"が駆け抜けようとする孤独な荒野は、果てしなく広がっている。

「オブリビオン」5月31日(金)TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー 2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

映画ライター/コメンテーター

アパレル業界から映画ライターに転身。1987年、オードリー・ヘプバーンにインタビューする機会に恵まれる。著書に「オードリーに学ぶおしゃれ練習帳」(近代映画社・刊)ほか。また、監修として「オードリー・ヘプバーンという生き方」「オードリー・ヘプバーン永遠の言葉120」(共に宝島社・刊)。映画.com、CINEMORE、MOVIE WALKER PRESS、劇場用パンフレット等にレビューを執筆、Safari オンラインにファッション・コラムを執筆。TV、ラジオに映画コメンテーターとして出演。

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