ドジャース、32年ぶりの世界一! そのとき、本拠地ドジャー・スタジアムでは~withコロナの観戦方式

球場駐車場にて開催されたドライブインビューイングで優勝に歓喜するドジャースファン

 タンパベイ・レイズとのワールドシリーズ第6戦を制して、1988年以来となる32年ぶりのワールドチャンピオンに輝いたロサンゼルス・ドジャース。

 試合はドジャースのホームゲームだったが、新型コロナウイルスの影響でロサンゼルスから遠く離れたテキサス州ダラス郊外のグローブライフ・フィールドにて開催された。

 ドジャースの本拠地、ドジャー・スタジアムのスタジアム内は無人だったが、32年間も優勝を待ち望んだロサンゼルスのファンのために、球団は球場の駐車場を開放してのドライブイン・ビューイングを実施。駐車場内に設置された60フィート(約18メートル)の超大型HDスクリーンに映し出される試合のライブ映像を車の中から観ながら応援するもの。スタジアムでの観戦が許されないwithコロナ時代の新しい観戦方式だ。

 56,000人収容できるドジャー・スタジアムはロサンゼルスのダウンタウンすぐ近くの高台にありながらも、球場の周りを16,000台分の広大な駐車場に囲まれている。

 ドジャースは駐車場の一部に2台の超大型スクリーンを設置して、各試合1,000台限定のドライブイン・パブリックビューイングを開催。チケットは1台75ドル(約7875円)で販売され、1台につき最大6人までの同乗者が入場可能。

ダウンタウンを望める高台にあるドジャー・スタジアムは16,000台を収容できる広大な駐車場に囲まれている(三尾圭撮影)
ダウンタウンを望める高台にあるドジャー・スタジアムは16,000台を収容できる広大な駐車場に囲まれている(三尾圭撮影)

 

 アメリカン・フットボールの試合では、球場に隣接した駐車場にBBQグリルなどを持ち込んで楽しむ「テイルゲート・パーティー」がスポーツ文化として定着しているアメリカ。今回のドライブイン・パブリックビューイングではBBQだけでなく、アルコール飲料の持ち込みも禁止され、駐車場入口では係員が車の中を調べて、駐車場内にアルコールが持ち込まれないことが徹底されていた。

 新型コロナウイルス観戦対策から、各車はソーシャルディスタンスを取りながら駐車するように指示される。通常のドライブイン・シアターでは車の中から大型スクリーンを観賞するが、withコロナのワールドシリーズ観戦ではピックアップ・トラックに乗って球場を訪れるファンも多く、トラックの荷台部分に置いた折りたたみイスに座り、夜空の下で観戦。ドジャー・スタジアム名物のドジャー・ドッグを始めとした食べ物や飲み物の販売もないので、ファンは好みのスナックやノン・アルコール飲料を持ち込んだ。

ピックアップ・トラックの荷台の上から試合を観戦するドジャース・ファン(三尾圭撮影)
ピックアップ・トラックの荷台の上から試合を観戦するドジャース・ファン(三尾圭撮影)

 飛沫感染を防ぐために歓声を上げての応援は推奨されておらず、チャンスになると歓声の代わりに車のクラクションを鳴らして応援するのはドライブイン・ビューイングならでは。日頃はイラッとする車のクラクションの大きな音も、この日だけは心地よく感じた。

 試合序盤はクラクションを鳴らしていたドジャース・ファンだが、6回裏に同点、そして逆転すると、たまらずに大歓声を上げて応援。その気持がテキサスまで届いたのか、8回裏には今季から新加入したムーキー・ベッツがソロ本塁打を放って追加点を入れた。

8回裏にベッツのソロ本塁打が飛び出て大喜びするドジャース・ファン(三尾圭撮影)
8回裏にベッツのソロ本塁打が飛び出て大喜びするドジャース・ファン(三尾圭撮影)

 9回表、メキシコ出身の左腕、フリオ・ウリアスが最後のアウトを奪って、32年ぶりとなるワールドシリーズを制覇すると1000台の車が一斉にクラクションを鳴らし、喜びを爆発させた。

 ドジャースの旗を振りながら駐車場を走り回るファンはいたが、バカ騒ぎするファンはなく、平和的に優勝を喜んだ。

ドジャース32年ぶりの優勝を喜ぶファン(三尾圭撮影)
ドジャース32年ぶりの優勝を喜ぶファン(三尾圭撮影)
1981年のドジャース世界一にも貢献したメキシコ出身の伝説的左腕、フェルナンド・バレンズエラのユニフォームを着て、メキシコ国旗とドジャースのチームロゴを組み合わせた特製の旗を振って優勝を喜ぶファン
1981年のドジャース世界一にも貢献したメキシコ出身の伝説的左腕、フェルナンド・バレンズエラのユニフォームを着て、メキシコ国旗とドジャースのチームロゴを組み合わせた特製の旗を振って優勝を喜ぶファン