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『黒人カルチャーだけでなく、黒人も愛してくれ』 混乱をきたす米国市民に元NBA選手がメッセージ

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
NBAで13シーズン活躍したジェイレン・ローズ(三尾圭撮影)

 白人警官の過剰な暴力行為によって命を奪われたジョージ・フロイドさんの死をきっかけに、全米各地で抗議活動と暴動が続いている。

 2017年から19年までの3年間で警官に撃たれて命を失ったアフリカ系アメリカ人の人数は667人で、3日に2人のペースで犠牲者が出ている。この中には凶悪犯罪のケースもあれば、無抵抗な容疑者が撃たれたケースもある。

 これまでに何度も「アフリカ系アメリカ人の命の大切さ」を訴える活動が行われてきたが、いまだにフロイドさんのようなケースが後を絶たない。

 NBAで13年間プレーして、現在はESPNで解説者を務めるジェイレン・ローズは「アメリカはブラック・カルチャーを愛するのと同じくらいブラック(アフリカ系アメリカ人)のことを愛して欲しい」とのメッセージをアメリカ国民に送った。

 「エンターテイメントやスポーツの世界でも、良いとこ取りばかりされている。黒人は皆を楽しませるためだけに生きているのではない。私たちも呼吸しながら生きている人間で、知性、労働倫理、規律、才能を持って生活しています。黒人も他の多くの人種と同じように 多くのことを克服してきました」とローズが言うように、スポーツやエンターテイメントの世界では多くのアフリカ系アメリカ人が活躍して、人気も高いが、それ以外のフィールドにも素晴らしいアフリカ系アメリカ人はたくさんいる。

 「これ(白人警官による黒人への虐待)は今に始まったことではない。 ググってみればすぐに分かる。これは新しいことではないし、黒人だけの問題ではない。ブラック以外の人たちの力も必要だ。ブラウン以外の人たちの力も必要なんだ。これらのことが社会で起きているときに、声を上げて欲しい。私たちと一緒に歩んで欲しい。一緒に抗議して欲しい。私たちと一緒に投稿して欲しい。都合のいい時だけでなく、難しく複雑な問題が起きているときにもです」

 「アメフトの試合前の国歌斉唱中に膝をついたコリン・キャパニックのイメージは、手錠をかけられて膝で首を押さえられたまま8分以上も地面に横たわっていた男が殺害された時のものと同じです。これは殺人でありリンチだ。これらの苦しみは何百年もの間、私たちの社会全体に痛みをもたらしてきた。私たちはずっと助けを求めて叫んできたのです」

 ヒップホップ、ラップ、ジャズにゴスペル。音楽でもブラック・カルチャーは大きな影響力を持ち、人種を問わずにこれらのファンは多い。

 NBAでは約8割の選手が黒人で、NFLでも黒人選手は約7割を占める。これらの選手に憧れるファンも多いが、外見だけでなく本質を見ることをローズは願っている。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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