【NFL】プレーオフ・ワイルドカード・プレビューNFC編 ~因縁のセインツとバイキングスが再激突~

40歳の今季も好調を維持するセインツのQB、ドリュー・ブリーズ(三尾圭撮影)

NFL Playoffs Preview NFC Wild Card Weekend

Text&Photos by Kiyoshi Mio

 NFLプレーオフが1月4日(日本時間5日)から始まった。

 NFLの全32チームの中でプレーオフの切符を勝ち取ったのは12チーム。この12チームが2月2日(日本時間3日)にフロリダ州マイアミで行われる第54回スーパーボウルの出場権をかけて熾烈な戦いを繰り広げる。

 今週末はワイルドカード・ウィークエンドと呼ばれ、ワイルドカード枠で勝ち上がった4チームが地区優勝チームと対戦する4試合が行われる。AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)は、それぞれ東西南北の4地区に分かれているが、各カンファレンスで成績が最も良かった地区優勝2チームはシード権を獲得して、プレーオフ1回戦は免除。来週末のディビジョナル・プレーオフ(2回戦)から登場する。

 4日(日本時間5日)に行われたAFCの2試合は、テキサンズが延長の末にビルズに辛勝、タイタンズも王者ペイトリオッツに敵地でアップセットして、AFC南地区の2チームが北地区の2チームに勝利した。

 そして、5日(日本時間6日)にはNFCの2試合が組まれている。

ニューオーリンズ・セインツ(NFC南地区優勝、第3シード、13勝3敗)対ミネソタ・バイキングス(NFC北地区2位ワイルドカード、第6シード、10勝6敗)★

日本時間1月6日(月)早朝2:45から日テレG+で生中継

日本時間1月8日(水)深夜0:30からNHK BS1で放送

NFL歴代新記録となるシーズン149パス捕球を記録したセインツのWR、マイケル・トーマス(三尾圭撮影)
NFL歴代新記録となるシーズン149パス捕球を記録したセインツのWR、マイケル・トーマス(三尾圭撮影)

「ミネアポリスの奇跡」と呼ばれた2017シーズンのディビジョナル・プレーオフの再戦。このときはバイキングスが試合最後のプレーで61ヤードのタッチダウン・パスを決める奇跡を起こした。

 昨シーズンはバイキングスはプレーオフ出場を逃し、セインツはカンファレンス・チャンピオンシップでの大誤審によりスーパーボウルへの道を閉ざされた。2年続けてプレーオフでショッキングな敗戦を喫しているセインツは、今年こそ10年ぶりとなるスーパーボウルに進みたい。

 エースQB(クオーターバック)のドリュー・ブリーズは40歳の今季にペイトン・マニングが持っていた通算タッチダウン記録を塗り替え、パス成功率も3年連続でリーグトップを記録。今季はシーズン途中にケガで5試合を欠場したが、復帰後はトップレベルのパフォーマンスを披露している。

 メインターゲットのWR(ワイドレシーバー)マイケル・トーマスはNFL新記録となるシーズン149回もパスをキャッチして、今季リーグ1位の1725ヤードを記録。ランゲームもアルビン・カマラとラタビアス・マレーとタイプの異なるRB(ランニングバック)がフィールドを駆け巡る。

 そして、セインツには万能秘密兵器のテイサム・ヒルもいる。本来は控えQBのヒルは、RB顔負けのラッシング能力、レシーバー並の捕球力を兼ね備えるだけでなく、スペシャルチームでも活躍する。アメフトの常識を覆す”NFL版大谷翔平”がフィールドに出てくると、相手守備陣は何が飛び出してくるか分からない恐怖感に襲われる。

 

ポジションの概念をぶち壊して「ジョーカー」の異名を与えられたセインツのテイサム・ヒル(三尾圭撮影)
ポジションの概念をぶち壊して「ジョーカー」の異名を与えられたセインツのテイサム・ヒル(三尾圭撮影)

 バイキングスのQB、カーク・カズンズはスタッツは良いが、ここ一番に弱いイメージが付いている。そんなマイナスイメージを払拭するためにはプレーオフのビッグゲームでチームを勝たせるのが一番。リーグ屈指のWRコンビ、ステフォン・ディッグスとアダム・シーレンにパスを投げ分けて、セインツ守備陣を翻弄したい。

 3年目のRB、ダルビン・クックはランだけでなくキャッチも得意。クックをケガで失ったシーズン最後の2戦を落としているだけに、プレーオフでのクック復帰は大きい。

今季はケガに悩まされたバイキングスのWR、アダム・シーレン(三尾圭撮影)
今季はケガに悩まされたバイキングスのWR、アダム・シーレン(三尾圭撮影)

 リーグ8位の25.4点を上げてきたバイキングスは、失点もリーグ5位の18.9点と非常にバランスが整ったチーム。ただし、CB(コーナーバック)のマケンジー・アレキサンダーとマイク・ヒューズをケガで欠くのは痛い。FS(フリーセーフティー)のハリソン・スミスとSS(ストロングセーフティー)のアンソニー・ハリスはリーグ有数のセーフティーコンビ。DE(ディフェンシブエンド)のダニエル・ハンターとエバーソン・グリフェンがブリーズにプレッシャーをかけて、DB(ディフェンシブバック)の負担を軽減したい。

 攻守に優れたバイキングスでも、今季のセインツを倒すのは難しい。それほどまでにセインツの攻撃陣は駒が揃っていて力強い。

バイキングスの強力DEコンビ、ダニエル・ハンター(99番)とエバーソン・グリフィン(97番)(三尾圭撮影)
バイキングスの強力DEコンビ、ダニエル・ハンター(99番)とエバーソン・グリフィン(97番)(三尾圭撮影)

フィラデルフィア・イーグルス(NFC東地区優勝、第4シード、9勝7敗)対シアトル・シーホークス(NFC西地区2位ワイルドカード、第5シード、11勝5敗)★

日本時間1月6日(月)朝6:40から日テレG+で生中継

日本時間1月9日(木)深夜0:30からNHK BS1で放送

第48回スーパーボウルでシーホークスを優勝に導いたラッセル・ウィルソン(三尾圭撮影)
第48回スーパーボウルでシーホークスを優勝に導いたラッセル・ウィルソン(三尾圭撮影)

 2014、15年と2年連続してスーパーボウルに出場したシーホークスと、2018年にスーパーボウルに出場したイーグルスが激突する。

 49ナーズとのハイレベルな地区争いに敗れてワイルドカードに回ってきたのがシーホークス。イーグルスはカウボーイズとの低レベルな地区争いを制して第4シードを獲得したが、プレーオフに出場したNFC6チームの中で唯一二桁勝利に届かなかった。

 しかもイーグルスは主力の故障が相次ぎ、開幕戦で先発を務めた22選手中9選手がケガで最終戦を欠場。ボロボロな状態でプレーオフまで勝ち進んできたが、それはシーホークスも同じことで開幕戦での先発7選手が最終戦に出られなかった。とくにRBは3人が不在で、急遽、引退していたマーション・リンチをシーズン最終戦で復帰させた。そのリンチも最終戦では12回のキャリーで34ヤードとプレーは錆びついており、大きな助けにはならなかった。

 走れなければ、投げるしかないが、QBのラッセル・ウィルソンは31タッチダウンに対して、インターセプションは僅か5つと堅実な試合運びをする。脆弱なオフェンシブラインの下、ウィルソンが最も頼りにしているのがWRのタイラー・ロケット。新人WRのDK・メットカーフもルーキー離れしたプレーをみせ、ロングパスに強いデビッド・ムーアもウィルソンを助ける。

プレーオフでビーストモードを取り戻してマーション・リンチはシーホークスの勝利に貢献できるか?(三尾圭撮影)
プレーオフでビーストモードを取り戻してマーション・リンチはシーホークスの勝利に貢献できるか?(三尾圭撮影)

 

 過去2シーズン続けて途中で故障離脱したイーグルスのQB、カーソン・ウエンツは待望の初プレーオフに燃えているが、オフェンスの主力選手の多くが故障で不在なので孤軍奮闘を強いられる。

 それでもシーズン最後を4連勝で飾ってチームを3年連続のプレーオフに導いたウエンツは、その4試合で7タッチダウン、インターセプションなし、試合平均299.8パッシングヤードと波に乗っている。

待望のプレーオフ・デビューを飾るイーグルスのQB、カーソン・ウエンツはシーズン終盤4連勝と波に乗る(三尾圭撮影)
待望のプレーオフ・デビューを飾るイーグルスのQB、カーソン・ウエンツはシーズン終盤4連勝と波に乗る(三尾圭撮影)

 

 本来の実力であればシーホークスがイーグルスを軽く一蹴するが、勢いがあるのはイーグルス。故障者だらけの両軍にあって、意地を見せるのはウィルソンか?ウエンツか?