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大谷、トラウトに朗報!優勝請負人のラルーサがエンゼルスへ加入

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
エンゼルスのアドバイザーに就任したトニー・ラルーサ(三尾圭撮影)

 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平はメジャーリーグ3年目となる来季に3人目の監督を迎える。

 北海道日本ハム・ファイターズでの5年間はずっと栗山英樹監督の下でプレーしていたのとは対照的に、メジャーでの大谷は毎年指揮官が代わっている。

 これはエンゼルスが低迷に喘いでいるのが原因。マイク・トラウトというメジャー現役ナンバー1プレーヤーがいるにも関わらず、過去10シーズンで1度しかプレーオフ出場を果たしていない。

 トラウトはメジャー8年間でプレーオフ出場が1度だけだし(2014年、ディビジョン・シリーズで敗退)、大谷に至ってはプレーオフ出場の経験すらない。

 2019年シーズン開幕時、エンゼルスのチーム総年俸はメジャー全体6位で、アメリカン・リーグ西地区ではトップ。それなりにお金は使っているのに勝てない悪循環が続いている。

 球界の内外からは「トラウトの才能を無駄にしている」と勝てないエンゼルスに対して批判の声が上がっており、チームは必死になってプレーオフに出られるチーム作りを進めている。

 チームのOBで、2002年にエンゼルスが球団初の世界一に輝いたときにベンチコーチを務め、レイズを球団初のワールドシリーズに導き、カブスに108年ぶりのワールドチャンピオンをもたらしたジョー・マドン監督を来季からの新監督に迎え入れたのは、エンゼルスが正しい方向に進み出すのに大きな助けとなる。

 11月12日(日本時間13日)にはトニー・ラルーサがシニア・アドバイザーとしてフロントオフィスに加わると球団から発表があった。

 ホワイトソックス、アスレチックス、カージナルスの3球団で合わせて33年間の監督経験を誇るラルーサは、メジャー歴代3位となる2,728勝を上げた名将。アスレチックスで1回、カージナルスで2回の合計3度もワールドシリーズを制覇している。

 全米野球記者協会(BBWAA)は1983年からメジャーの各リーグの最優秀監督を表彰しているが、アメリカン・リーグで初めて最優秀監督賞に選ばれたのが当時ホワイトソックスの監督だったラルーサ。アスレチックスの監督だった1988年と92年、カージナルスで監督を務めた2002年と合計4度も最優秀監督賞に輝いているが、4度の受賞はボビー・コックスと並ぶ歴代最多タイ記録。(ちなみにマドンは歴代3位タイとなる3度受賞しており、両リーグで受賞しているのはラルーサとマドンを含めて7名しかいない)

 監督としての実績は文句なしのラルーサだが、2011年シーズンを最後に監督を勇退してからの仕事ぶりも凄い。

 2014年にはダイヤモンドバックスで野球部門の最高責任者に就任。2005年オフには6年総額2億600万ドル(平均年俸3441万ドルは契約時のメジャー最高給)の大型契約でザック・グレンキーを獲得。2011年を最後にプレーオフとは遠ざかっていたダイヤモンドバックスは2017年に93勝を上げてプレーオフ返り咲きを果たしている。

 その2017年限りでダイヤモンドバックスを退任すると、すぐにレッドソックスから球団副社長としての声が掛かった。レッドソックスでは2018年の世界一に貢献している。

 まさに「優勝請負人」の称号に相応しい実績を残してきたラルーサの加入は、2002年以来のワールドシリーズ出場を目指すエンゼルスにとって心強い。

 ラルーサとマドンの「優勝請負人タッグ」には、大谷とトラウトをワールドシリーズの舞台に立たせてくれることを期待したい。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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