「フクイチ」の今~水素爆発から6年、廃炉取材映像レポート

福島第一原発4号機前

<取材ハイライト_5分版>

「こんな状況になっているのか・・・」

2017年3月、廃炉作業の続く福島第一原発の構内に、カメラを持って入ることを許された。

初めての構内取材は、意外な光景の連続だった。

敷地内の駐車場では、作業員が防護服やマスクを着用せずに歩いていた。食堂の厨房ではたくさんの女性職員の働く姿があり、温かいカレーや丼ぶりが提供されていた。予想以上に、環境の整備が進んでいることを知り、変化のスピードに驚いた。

感じた課題

構内をバスで走ると、一軒家ほどの大きさの巨大なタンクが立ち並ぶ光景に出くわした。敷地を埋め尽くす勢いで増え続ける汚染水タンクの数と大きさに圧倒される。現在のペースで処理できない汚染水が増え続ければ、来年には敷地がいっぱいになるそうだ。1日約6000人と言われる作業者の約半数が、汚染水の処理作業に従事している状況も知った。東電担当者は「解決策も見えて来たが、一長一短。議論はこれから」と話す。

1・2号機開閉所付近に立つと、建屋の上部が水素爆発で吹き飛んだ1号機が目前に迫る。望遠レンズで覗くと、6年前の爆発で崩れた建屋の構造物が未だ積み重なっていた。「プールの上に積もったガレキの撤去を、慎重に進めています」という東電担当者の説明を聞き、6年を経て使用済み燃料が事故当時と同じ場所に残されている状況に、作業の難しさを感じた。

廃炉のアンバランスを撮る

周辺地域や原発構内の大半のエリアでは、驚くほどのスピードで変化を感じることができる。一方、原子炉の至近では着手すらできない問題が山積みになっている。このアンバランスこそが、廃炉作業の今なのだ。

インタビューに応じてくれた廃炉作業関係者の一人は、「福島県外に出ると、ほとんど原発のニュースが流れていないことに驚いた」「ぜひ実態を、その目で見て欲しいのだが・・・」と話してくれた。

幸いにもムービーカメラの持ち込みを許可された私は、取材の工程をできる限り記録することにした。原子炉周辺の定番の撮影ポイントだけではなく、移動中の車窓や東電担当者とのやりとり、そこで働く作業員の環境、エリアごとに異なる防護服の種類や着替えの様子など、些細なものにもカメラを向けた。

この時代に生きる私たちが背負った、福島の原発事故とそれに続く廃炉の問題。

多くの方に、廃炉の今を知ってもらいたいと考え、構内取材を追体験してもらえるようなダイジェスト映像を10分にまとめた。さらに短い5分のハイライト版も編集したので、時間のない方もご覧になっていただければ嬉しいと思う。

<取材ダイジェスト完全版_9分30秒>

記事・動画制作協力:Yahoo!ニュース個人編集部