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4階級王者の井岡一翔 激戦のスーパーフライ級でのライバル候補とは

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供 FUKUDA NAOKI

13日、ボクシングWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦で、王者の井岡一翔(33=志成)が、同級1位のドニー・ニエテス(40=フィリピン)と対戦する。

井岡とニエテスは2018年12月の王座決定戦以来の再戦となる。

井岡の経歴

井岡一翔は日本人初の世界4階級制覇を成し遂げたボクサーだ。

2009年にプロデビューし、プロ入りから僅か7戦で初の世界タイトルを獲得した。

その後、プロ11戦目で2階級制覇を達成し、2015年にフライ級、2019年にはスーパーフライ級でタイトルを獲得している。

派手なスタイルではないが、緻密なボクシングで相手をコントロールする技巧派ボクサーだ。

パンチのバリエーションも豊富で、出どころが見えにくいため、相手は反応できず被弾してしまう。

階級を上げるたびにスタイルも進化しており、技で倒すスタイルに加え、最近ではアグレッシブさも追加された。

因縁の再戦

ニエテスも井岡と同じく4階級を制覇しており、これまで49戦43勝(23KO)1敗6分の戦績を誇る。

身長は160cmと小柄ながら、167cmの長いリーチを持つ。年齢は40歳となり、ベテランの域に達した技巧派ボクサーだ。

前回の試合では技巧派同士、拮抗した試合展開だった。

しかし、ニエテスの独特な間合いに苦戦し、井岡はペースを握れず、1-2の判定で敗北を喫した。

その後、ニエテスは王座を返上し、空位となった王座決定戦で、再び井岡が王者となった。

ニエテスは2年半ほどブランクを挟み、パブロ・カリージョ戦、ノルベルト・ヒメネス戦を重ね、今回の試合を迎える。

年齢やキャリアを踏まえても、大きなスタイル変化はないだろう。ブランクもあるため、井岡有利という見方が多い。

今回の試合に向けて井岡は「かなり良い状態に仕上がっているし、良い準備ができたと思う」とコメントしている。

この試合で過去の雪辱を果たし、統一戦へと進んでいきたいところだ。

井岡の本当のライバル

スーパーフライ級は激戦の階級だ。各団体の王者は以下となっている。

WBAスーパー ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)

WBA レギュラー ジョシュア・フランコ(アメリカ)

WBC ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)

IBF フェルナンド・マルティネス( アルゼンチン)

WBO 井岡一翔

この王者達に加え元4階級王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)や、3階級王者の田中恒成(畑中)。

そしてフライ級から階級を上げてくる中谷潤人(M.T)がいる。中谷はWBOのフライ級の王者であるが、この階級に進出する可能性が高い。

将来的には6階級制覇を目指せる逸材で、海外での評価も高く、次期PFP候補とも言われている。

WBOは王者が階級を上げると、そのまま指名挑戦者となるケースが多い。そうなれば井岡と対戦する可能性は大いにあるだろう。

ミニマム級から階級を上げてきた井岡と、フェザー級まで戦える体を持つ中谷との対戦が決まれば面白い試合になる。

タレント揃いのこの階級でビッグマッチを目指すために、まずは今回の試合に勝利しなければならない。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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