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ボクシング界の新星ジャパニーズタイソン佐々木尽「これからスターになる俺をみとけ」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供FUKUDA NAOKI

ボクシング界のホープ佐々木尽(19=八王子中屋)。

タイソンと同じ左フックを得意とし、一撃で相手を倒すスタイルからジャパニーズタイソンの異名を持つボクサーだ。

これまで10戦全勝(9KO)の戦績を誇る期待の新星にインタビューした。

これまでの戦績とタイトル

佐々木がボクシングに目覚めたのは中学の時だという。

当時柔道部だった佐々木は、練習が少ない部活に満足できず熱中できるものを探していた。

そんな時に父の勧めでボクシングに出合い、殴って褒められることに衝撃を受けボクシングをスタート。

「本能的に戦うのが好き。ボクシングの奥深さに魅了された」

しかし、ヘッドギアを装着してポイント重視のアマチュアでは力が発揮できず、現役高校生で異例のプロデビューを果たした。

プロになってからは破竹の勢いで勝ち進み、連戦連勝。

2020年には日本スーパーライト級ユース王座決定戦で3回2分50秒TKO勝ちで日本ユース王座を獲得した。

ジャパニーズタイソンの異名

マイク・タイソンを理想とし、試合前に過去の映像を見てイメージを焼き付けているそうだ。

ここ最近は3試合連続で1ラウンドで試合を決めており、タイソンのような豪快なパンチ力が魅力だ。

しかし、そんな佐々木もデビュー当時は苦労した。

「デビュー戦は倒そうと思ってガチガチに力んでました。その反省を活かして次の試合からは力を抜いて戦ったら、倒す感覚が掴めました」

タイソン同様左フックが得意で「当たればガードの上からでも倒せる」と自信満々だ。

現在は得意な左に加えて右も強化している。

「左は世界レベルだと思ってますが、右ができてない。ワンツーを完璧にしてスピードとパワー、全てが合わさっているタイソンみたいになりたい」

まだ19才と伸び代もある。

所属する八王子中屋ジムの先代の会長の中屋廣隆氏も「とにかく練習態度が真面目で才能より努力の選手。度胸もあってメンタルもピカイチなので今後が楽しみ」と絶賛した。

写真提供FUKUDA NAOKI
写真提供FUKUDA NAOKI

次戦に向けて

次戦は5月23日(日)墨田区総合体育館で日本ユースライト級王者の湯場海樹(22=ワタナベ)と対戦する。

湯場は元日本5階級制覇王者湯場忠志を父にもつサラブレッドで、アマチュア時代にはインターハイ準優勝の実績を持つ技巧派だ。

サウスポースタイルからのカウンターが巧みで、これまでの戦績は9戦7勝(5KO)2分無敗。

無敗同士でボクシング界のホープが対決する注目の試合だ。

湯場がSNSで佐々木の名前を出し、佐々木がそれに反応し対戦表明したことで実現した。

佐々木は「ボクシングが全てで、今までの人生の中で一番楽しい。試合がめちゃくちゃ好きだからワクワクしてます」と話している。

「今年は日本や東洋のタイトルを取りたい。そしてその先には世界チャンピオンが目標。そのためにも絶対勝つ」と意気込みも十分だ。

ユースタイトルを取ったことで、街でも声をかけられることも増えたそうだ。

「チャンピオンでも知られてない。もっとSNSを活用して、知名度を上げながらチャンピオンになりたい」と話す。

まだ10代ではあるが実力は十分ある。「これからスターになる俺をみとけ」とコメントしてくれた。

若さと勢いがあって楽しみな選手だ。日本の中量級を引っ張っていく選手になってほしい。

著者撮影
著者撮影

佐々木尽(ささき・じん)

東京都八王子市出身、19歳、八王子中屋ボクシングジム所属、第2代日本スーパーライト級ユース王者。戦績は10戦10勝(9KO)。一撃で試合を決めるスタイルからジャパニーズタイソンの異名を持つ。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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