史上最高の日本人対決 井岡一翔と田中恒成の過去の因縁とは

写真提供全て FUKUDA NAOKI

12月31日大田区総合体育館でWBOスーパーフライ級タイトルマッチが行われる。王者の井岡一翔(31=Ambition)と同級1位の田中恒成(25=畑中)との対戦が発表された。

注目のカード

井岡は4階級、田中は3階級の複数階級制覇を果たした日本人対決となる。

昨年末の試合で、井岡と田中は同じリングに上がった。田中はWBOフライ級タイトルマッチで挑戦者のウラン・トロハツ(中国)を相手に左アッパーでダウンを奪い3RKOで勝利。

井岡はWBOスーパーフライ級タイトルマッチで1位のジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)と対戦し、判定勝利で防衛を果たした。

その後、田中がスーパーフライ級に階級を上げたことで今回の試合が実現した。

昨年末の試合以降、新型コロナウイルスの影響で試合ができず直接対決となった。

過去にスパーリングで対決

2人の因縁は8年前までさかのぼる。高校生の田中が世界戦を控えた井岡のスパーリングパートナーとして呼ばれた。

当時の田中は世界王者だった井岡に歯が立たたず、短いスパーで鼻血が出たほどだった。

「4ラウンドのスパーでしたが、井岡選手の強さを感じました」

その時から田中は井岡を意識していただろう。

対する井岡は「かなり前なので、全然覚えていない」と話している。

ボクサーというのは、勝った試合や優位に進めたスパーは覚えてないが、負けた試合、悔しい思いをしたことは覚えているものだ。

井岡からしたら過去に自分がスパーリングをした相手が挑戦者として戦うことになるとは夢にも思わなかっただろう。

田中はフライ級時代から井岡の名前を口にして対戦を熱望していた。ようやくその願いが実現することとなった。

勝者がビッグチャンスを掴む

試合に向けて井岡は「格の違いを見せる」と意気込みを語った。あくまで王者として、田中を迎え撃つという強気な姿勢だ。

対する田中は「俺にとってはキャリア最大の勝負、直接戦ったら俺の方が強いと思う」と自信をのぞかせている。

2人とも海外でのビッグマッチを望んでおり、この試合に勝利すれば強豪との対戦の足掛かりになる。

この階級には、下記の王者たちが君臨している。

WBC ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)

WBAスーパー ローマン・ゴンザレス(帝拳)

WBAレギュラー ジョシュア・フランコ(アメリカ)

IBF ヘルウィン・アンカハス(フィリピン)

他にも現王者のローマンゴンザレスに連勝したシーサケット・ソー・ルンヴィサイ(タイ)や、井岡に勝利したドニー・ニエテス(フィリピン)など、強豪が名を連ねる。

この階級はアメリカでスーパーフライという単独の興行が組まれるほど人気がある。

コロナの影響で海外での試合にはハードルがあるが、来年になれば状況も変わってくるだろう。

田中はフライ級にとどまるか階級を上げるか迷っていたが、決め手になったのはタレントが集まり盛り上がりを見せていたからだ。

私がインタビューした時も「全員倒したいと思っています。1番になりたいだけです」と話していた。

フライ級で減量がきつかった田中が、階級を上げたことでどれだけ動けるようになるかもポイントになってくるだろう。

ポイントを取る技術が卓越している井岡か、若さとスピードが武器の田中か、どちらが勝つか楽しみな試合だ。

毎年恒例の年末の決戦が今年も盛り上がりそうだ。