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田中恒成が激戦のスーパーフライの王者たちについて語る「井岡選手の強さを感じた」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供 FUKUDA NAOKI

3階級王者でWBO世界スーパーフライ級1位の田中恒成(25=畑中)を迎え、トークライブを行った。

田中は昨年末の試合を最後にフライ級から階級を上げ、スーパフライ級に主戦場を移した。

この階級は、世界的に注目を集めている階級で、ローマン・ゴンザレス(ニカラグア)、

ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ) 、

井岡一翔(31=DANGAN AOKI)が王者として君臨している。

主要4団体の王者たちの印象や、エピソードを語ってもらった。

4団体王者たちの印象

ーーーWBA王者ローマン・ゴンサレスの印象はどうですか。

田中:コンビネーションが上手い選手です。程よいスピードで長時間打ち込んでくるので、それを対処していくのは難しそうですね。

ーーーどう戦いますか。

田中:まだ具体的なイメージはありませんが、インとアウトを繰り返して、ヒットアンドアウェイで戦います。

ーーーWBC王者エストラーダはどうですか。

田中:どんな相手でも対応するオールマイティーな選手です。戦ったら一番噛み合うかもしれません。

ーーーIBF王者ヘルウィン・アンカハス(フィリピン)はどうでしょう。

田中:アンカハスの試合はリングサイドで観たことがあります。

前後のステップでパンチを外したり、踏み込みも鋭いものがあります。加えて、ストレートが伸びますよね。

アンカハスも上手な選手という印象です。

ーーーWBO王者の井岡一翔選手はどうですか。

田中:基本の完成形みたいなボクシングです。洗練された無駄のない動きという印象が強いです。

5月30日トークショー 左・木村悠(筆者) 右・田中恒成
5月30日トークショー 左・木村悠(筆者) 右・田中恒成

井岡とのスパーリング

ーーー以前、井岡選手とはスパーリングをしたと聞きました。

田中:だいぶ前ですが、高校3年生のインターハイの前にやってもらいました。

ーーーすでに井岡選手が世界王者になっていた頃ですかね。

田中:そうです。僕が大阪の高校で合宿していた時、井岡ジムにスパーリングに行くことになりまして…

ーーーワクワクしましたか。

田中:いいえ、全く。当時、僕は高校生で、相手は世界チャンピオンですから。ちょっとビビりながら行きました。

ーーーそうですか(笑)何ラウンドしたのですか。

田中:4ラウンドです。ストレートに井岡選手の強さを感じた、そんなスパーリングでした。

写真提供FUKUDA NAOKI
写真提供FUKUDA NAOKI

シーサケットとのスパーリング

ーーースーパーフライ級は強豪が多いですね。4団体王者に加え、元WBC王者のシーサケット・ソー・ルンヴィサイ(タイ)もいますし。

田中:実は田口良一選手(元WBA・IBF世界ライトフライ級統一王者)と戦う前に、タイでシーサケットとスパーリングしました。

ーーーシーサケットはサウスポーですよね。

田中:田口選手を想定して、本当は右の選手とスパーしたかったのですが、もともと右で戦っていたようで、右でスパーをしてくれました。

ーーーどうでしたか。

田中:単純に強かったですね。

それに、もともと右でやる約束だったのですが、4R目で急にサウスポーに変えてきたんです。

「話違うじゃん!」って焦りました(笑)

ーーーシーサケットも本気で打ち合ってみたかったんでしょうね。

田中:驚きましたが、本音を言うとサウスポーのシーサケットと戦いたかったので嬉しかったです。

何かを伝えられるボクサーになりたい

ーーー最近、ファンとの交流も積極的に行っていますね。

田中:はい。SNSには力を入れています。6月15日、25歳の誕生日にはYouTubeを始める予定です。

ーーー始めようと思ったきっかけは。

田中:5戦目で世界を獲った時から「5」という数字が好きなんです。だから、5階級制覇の目標を立てたのです。

そして今日、5月30日はチャンピオンになって5年目の日です。ひとつの節目だと感じています。

ーーーなるほど。では、25歳の誕生日も節目ということですね。

田中:はい。今まで、自分の強さを求めて戦ってきましたが、この節目に「人に何かを伝えられる」ボクサーになりたいと思っています。

25歳の誕生日となった、6/15(月)からyoutubeチャンネルをスタート。

田中は「このチャンネルで、いろいろなことにチャレンジしていきます」と語っている。ぜひ注目してもらいたい。

本人提供
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元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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