3階級王者の八重樫東「モチベーションを上げられない選手はここで終わってしまう」

2019年スタッフ撮影

ボクシングは、新型コロナウィルスの影響で試合再開の見通しが立っていない。

度重なる試合の延期で選手のモチベーション低下や経済状況が心配される。今後ボクサーはどうなっていくのか。

3階級王者で、経営者、タレントなど多方面で活躍している八重樫東選手(37=大橋)に電話取材した。

コロナの影響

ーーーコロナの影響はどうですか。

八重樫:影響ありまくりですよ。ジムも飲食店も休業しています。外出も最小限に、食事の買い出し以外は家にいるようにしています。

ーーー行っている感染症対策はありますか。

八重樫:子供のお手本になるために、手洗い・うがいは徹底して行っています。「パパがやってないから僕もやらない」と言われてしまうので。

ーーートレーニングはどうしていますか。

八重樫:ジムワークができないのでランニングや鉄棒を使ったトレーニングをしています。

先が見えない状況で、力を入れすぎても続きません。今は現状維持をするようにしています。

ーーーYouTubeでもトレーニング特集をだしていましたね。

八重樫:自宅や公園でできるような簡単なトレーニングを紹介しました。

ジムでやるような重いウエイトができないときは、自重でできるトレーニングがオススメです。体のバランスが作りやすいと思います。

年末のムザラネ戦

ーーー昨年12月の世界戦、モルティ・ムザラネ選手(南アフリカ)との試合はどうでしたか。

八重樫:コンディションは良かったです。ムザラネ選手の出方は大方予想通りで、判定で勝てるだろうと思っていました。

ーーー途中、激しく打ち合う場面がありましたね。

八重樫:試合後「何であそこで打ち合いに行ったのか」とよく聞かれますが、感覚的に「ここだな!」というタイミングだったのです。

ーーーリングに立つ選手にしか、分からないことってありますよね。

八重樫:そうです。俺の頭の位置を嫌がっていたので、グイグイいきました。

ムザラネ選手はジャブが上手いと聞いていたのですが、スパーリングパートナーの矢吹正道選手(日本ライトフライ級1位)の方が鋭かったです。「これならいける!」と思ったのですが…。

ーーー惜しくも敗れてしまいましたが、敗因はなんだと思いますか。

八重樫:左目が折れたことです。試合中盤で右パンチをもらって痛みが走りました。 そこで「あぁ折れたな」と。

近づこうにも近づけず、離れようにも離れられず、ペースを崩されてしまいました。

ですが、パンチをもらったのは俺なので、弱いから負けたと思っています。

ーーー敗戦後、4日でジムでの練習を再開したと聞きました。

八重樫:休んだら体が戻ってきません。復帰するか辞めるかを決める前に維持しておかないと復帰できませんし、辞めるって決めたらやめればいいだけですから。

コロナとボクサーについて

ーーーコロナの影響で今後ボクサーはどうなっていくと思いますか。

八重樫:先が見えないですから、先日の高橋悠斗選手(日本ライトフライ級王者)の引退もありましたし、ボクシングを辞める選手も出てくるのではないでしょうか。

例えば飲食店でバイトしているボクサーは、バイト先も休業でジムにも行けなくなります。

なら、違うことをしようってなりますよね。背に腹はかえられない選手もいると思います。

ーーー今は選手にとって辛い時期ですね。

八重樫:内山高志先輩(元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者)もインスタグラムで「今回の事でやる気なくなったと言い訳している選手は、トップをとるのは無理」と投稿していました。

俺もモチベーションを上げられない選手はここで終わってしまうと思います。

意外に楽観的な選手が強いのではないでしょうか。頭が良すぎると考え過ぎて身動きが取れなくなってしまいます。

考えても世界の状況は変わりません。自分を信じてやるべきだと思います。

今後の活動

ーーー今後やってみたいことはありますか。

八重樫:コロナが収まって、生活が戻ってから決めていきたいですね。

仕事もボクシングに限らず、興味のあることはなんでもチャレンジしたいです。会長に恩返しもしたいので、大橋ジムには携わっていくと思います。

ーーー大橋会長を信頼しているのですね。

八重樫:はい。会長の人柄が好きですし、育ててもらった恩もあります。

ーーー今後もチーム大橋の一員として活動していくのですか。

八重樫:そうですね。

ーーー最後に、ボクシングファンの方に伝えたいことはありますか。

八重樫:ボクシングが再開したら、ぜひ会場に足を運んで生で選手を応援してあげてください。

試合を観に来てくれたら、選手にとってそれ以上嬉しいことはないです。楽しみに待っていてください。