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拳四朗「無駄な時間がもどかしい 早く試合をしたい」世界王者の悲痛な叫び

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供 FUKUDA NAOKI

新型コロナウイルスは、ボクシング界にも大きな影響を与えている。

日本プロボクシング協会(JPBA)と日本ボクシングコミッション(JBC)は、試合の自粛期間を5月末までとしていたが、6月末まで延長することを決めた。

ボクシング界は、今年の3月から相次ぐ延期により試合再開の見通しが立っていない。

いつ試合が決まるかわからない状況でのモチベーション維持は難しい。

この状況を選手たちがどう思っているのか。WBC世界ライトフライ級王者寺地拳四朗(28=B.M.B)に電話取材を行った。

コロナウイルスの影響

ーーー新型コロナウイルスの影響はどうですか。

拳四朗:一番大きな影響は試合が決まらないことですね。

ーーー感染症対策として行っていることはありますか。

拳四朗:なるべく家にいるようにして、手洗いやうがい、マスクは徹底しています。

ーーー基本は家にいるという感じですね。

拳四朗:はい。家ではNetflixやテレビをみたり、友達とLINEをしたり、ランニング以外ではリラックスして過ごしています。

ーーー試合が決まりそうだった話はあったんですか。

拳四朗:毎年6月ぐらいに1試合というペースだったのですが、今年は難しいですね。

2時間で24キロ走る

ーーートレーニングはどうしていますか。

拳四朗:今はランニングだけですね。今日は2時間ぐらいで24キロ走りました。

ーーー24キロ!一日でそんなに走るんですか?

拳四朗:暇なので(笑)

ーーーその他、行っているトレーニングはありますか。

拳四朗:器具を使わずにできるトレーニングをしています。

ーーー十分にトレーニングができていない状況で、メンタルへの影響はどうですか。

拳四朗:この様な状況なので仕方ありませんが、無駄な時間を過ごしているのがもどかしいですね。

記録に残したい

ーーー今年の目標は。

拳四朗:今年は3試合したかったのですが、絶対無理ですよね。せめて2試合とも思っていたのですが、今の状況を考えると難しいと思います。

ーーーいつ頃には試合をしたいと思っていますか。

拳四朗:できるだけ早く、ですね。

ーーーそうですね。まだ先行きが見えない状況ではありますが、次戦への意気込みを聞かせてください。

拳四朗:勝つのは当たり前で、良い勝ち方をしたいですね。

ーーー元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高さんが残した13度連続防衛記録。この記録の更新を目指していますが、やはり特別な数字ですか。

拳四朗:はい。それを超えて記録を残すことが目標です。

ーーーファンに伝えたいことはありますか。

拳四朗:今はなるべく外に出ないようにして、僕の試合が決まるのを楽しみに待っていて下さい。

ーーー大変な思いをしている選手が多いと思います。そんな選手たちに向けて伝えたいことはありますか。

拳四朗:大変な状況ではありますが、今は我慢して、明るい未来を信じて頑張って欲しいです。

拳四朗は圧倒的な強さで7度の防衛を果たした絶対王者だ。

今年は他団体との統一戦も目論んでいただけに、試合ができないもどかしさがあるだろう。

普段は明るく元気な拳四朗だが、思ったように進まない現状に苛立ちを隠さなかった。

モチベーションの維持が難しいが、これを乗り越えてファンに元気な姿を見せてほしい。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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