ヘビー級ジョシュアがルイスにリベンジ 最初から最後までアウトボクシング

(写真:ロイター/アフロ)

サウジアラビアでWBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチが行われ、王者のアンディ・ルイス・ジュニア(30=アメリカ)と挑戦者で前王者のアンソニー・ジョシュア(30=英国)が戦った。

試合の命運を分けたもの

この試合はダイレクトリマッチとなった。

前回6月にアメリカで行われた試合では、代役で挑戦したルイスがジョシュアから4度のダウンを奪い、7回TKOで勝利した。

世紀の番狂わせとなり、世界を驚かせた。

再戦は両者の中立国として、サウジアラビアで開催。

何もなかった砂丘に、この試合のために1万5千人収容のアリーナを建設し、試合が行われた。

前日の計量では、王者のルイスが前回より7.1キロ増の128.6kg。対する挑戦者のジョシュアは4.8kg減の107.5キロとなり、両者の体重差は21kgとなった。

ボクシングは階級制のスポーツではあるが、200ポンド (90.719kg) 以上はヘビー級で無差別級となる。

減量が無い階級ではあるが、自分が動きやすいベストな体重でリングに上がることが重要だ。

体重が重くなれば、パワーが増すが、スピード、スタミナ面が落ちる傾向がある。

今回の両者の体重調整が、試合の命運を分けることとなった。

試合の展開

両者の体格を比較すると、ジョシュアが身長198cm(リーチ208cm)に対し、ルイスが身長188cm(リーチ188cm)となる。

そのため、身長で大きく上回るルイスが、リーチを活かしてのジャブをつき、ペースを握っていく。

一方小柄なルイスは、距離を詰めようと前に出ようとするが、ジョシュアの長いリーチに阻まれて詰め切れない。

また、近づこうとするとジョシュアが鋭い右ストレートを打つのでうかつに飛び込めない。

序盤にジョシュアの右ストレートでルイスが目の横をカットし、苦しい展開となる。

ジョシュアは自分の距離を保とうと、リーチを活かしてジャブをつき慎重な戦いぶりでペースを握っていった。

近い距離になるとルイスが大きなパンチを振るうが、ジョシュアはそれを警戒してクリンチで攻撃を封じていく。

中盤になると、ジョシュアは更に足を使いながら動き回り、ペースを掴んでいく。

一方ルイスは増量の影響か、追い足がなく、捕まえられない。

ジョシュアは前回の試合でルイスのパンチをもらい倒れたので、今回は終始慎重に戦っていた。

後半に入っても展開は変わらず、ジョシュアは徹底的にアウトボクシングを貫く。

時折右のストレートでルイスにダメージを与えるが、深追いはせずポイント重視で戦った。

ルイスはジョシュアを追っていくが、自分の間合いに入れずペースを掴めずにゴングを聞いた。

盛り上がるヘビー級

判定は、は118-110が2者、119-109でジョシュアが大差で快勝し、王座奪還に成功した。

試合後のインタビューでは、「打たれないように工夫した。3度目をぜひやりたい」と話した。

ジョシュアは、今回は無理に倒しに行かず、自分の作戦を貫いた。

ルイスも、「3度目をやりたい。次回はもっといい準備をしたい」と返した。

ジョシュアは、番狂わせとなった初戦での教訓を活かし、相手を徹底的に研究して対策してきた。

今回攻略したジョシュアの戦いぶりを見ると、再戦したとしても、ルイスがペースを崩すのは難しいだろう。

3団体の王座奪還に成功したジョシュアだが、残る一つのベルトは、WBC王者のデオンテイ・ワイルダーが持っている。

一時期は、ワイルダーVSジョシュアの4団体統一戦の噂もあったが、ジョシュアの敗北で試合実現が遠のいた。

ワイルダーは、11月に同級3位のルイス・オルティス(キューバ)との再戦を7回KOで破り、10度目の防衛を達成している。

次戦は、来年2月にキャリアの中で唯一引き分けとなったタイソン・フューリー(英国)との再戦が決まっている。

共に無敗同士で注目の一戦になるが、勝利した方とジョシュアとの対戦に期待が高まる。

ヘビー級は現在、ジョシュア、ワイルダー、フューリーの3名が中心となり、ヘビー級頂上決戦も近い。

来年はこの注目の階級から、益々目が離せない展開となりそうだ。