最強王者ロマチェンコが3つ目のベルト獲得 ライト級完全制覇に王手

(写真:ロイター/アフロ)

ロンドンのO2アリーナで、現役最強の異名を持つWBAスーパー・WBO世界ライト級統一王者のワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が、ルーク・キャンベル(31=イギリス)を迎えてWBCライト級王座決定戦を行なった。

ロマチェンコが今回の試合に勝てば、3団体の王座を統一することになる。

また、両者は五輪で金メダルの実績があり「金メダリスト対決」として注目の試合となった。

金メダリスト対決

会場には18000人の観客が詰めかけ、大きな盛り上がりを見せた。

共にロンドン五輪で金メダルを獲得しており、(ロマチェンコはライト級、キャンベルはバンタム級)注目度が高く、チケットも試合の3週間前に完売した。

試合が始まると体格が優るキャンベルが、プレッシャーを掛けた。

両者アマチュア出身ということもあり、中間距離で、ハイレベルな技術戦を行なっていた。

次第に、ロマチェンコがジャブを巧みに使いこなし、ペースを握っていった。

だか、中盤に入ると、互いにボディを打ち合い動きを封じにかかる。

5R目には、ロマチェンコのボディがヒットしてキャンベルが下がる。

ロマチェンコはギアを上げて、パンチを散らし、キャンベルをダウン寸前まで追い込む。

キャンベルも持ち直して、ボディに活路を見出し、手数を出していく。必死に食らいついていくが、ペースを握れない。

その後も、ロマチェンコが、ポイントを積み重ねていった。

11R終盤には、ロマチェンコのボディが的確にヒットして、返しのパンチでダウンを奪う。

キャンベルもボディが効いて苦しいラウンドとなったが、なんとかKOは免れた。

最終ラウンドは、ロマチェンコがKOを狙ってプレッシャーを強めるが、キャンベルが逃げ切り判定へ。

119-108が2者、118-109が1者でロマチェンコが3-0の文句無しの判定勝ちで、WBCのタイトルを獲得し三団体統一に成功した。

階級変更で変わるスタイル

ロマチェンコは、体格差がある相手に対し、技術で対抗しキャンベルを圧倒した。

しかし、序盤は相手との体格差に苦戦していたように思えた。

フェザー級でデビューして、スーパーフェザー、ライトと3階級を制覇してきた。ライト級になると、どうしても体格差が目立つ。

ボクシングはひとつ階級が変わるだけで、大きく戦い方が変わってくる。また、耐久力も上回るので、KO勝利が難しくなってくる。

パワー、スピード、タイミングの三拍子が揃ってこそKOが生まれる。

下の階級では、圧倒的な強さでKO勝利を積み上げてきた。しかし、この階級だと、もう少しパワーが欲しいところだ。

ライト級完全制覇を目標に掲げているロマチェンコだが、その後の動向が気になってくる。

体格的にも、更に上の階級スーパーライト級に進むとは考えられない。

今後のロマチェンコ

ロマチェンコの次なるターゲットは、IBF王者のリチャード・カミー(ガーナ)だ。

カミーは、175cmの長身で、29勝のうち26勝のKO勝ちをしているハードパンチャーだ。その相手にどのように戦うか注目だ。

また、近い階級には、ロマチェンコとの対決が望まれる選手が何名かいる。

ひとつ下の階級のスーパーフェザー級には、メイウェザーの秘蔵っ子WBAスーパーフェザー級王者ガーボンタ・デービス(米)22戦全勝(21KO)がいる。

更に、WBC王者ミゲール・ベルチェル(メキシコ)35勝(31KO)1敗もいる。

ビックファイトを希望しているロマチェンコは、今回獲得したWBCのタイトルを保持していた、マイキー・ガルシア(米)との対決も望んでいる。

中量級の中心であるロマチェンコとのビッグマッチに期待したい。

ロマチェンコのスキルを持ってすれば、圧倒的なパフォーマンスで相手を追い詰めることができるだろう。

しかし、KO勝ちとなるとハードルが一気に上がる。

メイウェザーもパッキャオも階級を上げても勝ち続けたが、KO勝利は格段に減っていった。

全階級を通じて一番強い、PFPキングのロマチェンコが階級の壁を破ってくれることを期待したい。