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メーガン夫人によるいじめを英王室スタッフが暴露 サウジ皇太子から贈られたイヤリング “内戦”泥沼化

木村正人在英国際ジャーナリスト
英王室を”内戦”状態に陥れたメーガン夫人(写真:REX/アフロ)

[ロンドン発]英王位継承順位6位のヘンリー公爵を引き連れて「慈善活動は(王族でなくても)誰にでもできる。英王室には永遠に戻らない」と言い放ったメーガン夫人に対して、ケンジントン宮殿で仕えた側近がメーガン夫人による「いじめ」を内部告発していたと英高級紙タイムズ電子版が3月2日夜報じた。

エリザベス女王(94)の夫、フィリップ殿下(99)の容体が悪化しているにもかかわらず、ヘンリー公爵とメーガン夫人が自分たちの都合で宣伝活動を優先させていることに英王室内の反発が強まっている。タイムズ紙が入手した電子メールやテキストメッセージの内容を見ると、内部告発の内容は深刻だ。

米人気司会者オプラ・ウィンフリーによるヘンリー公爵とメーガン夫人の2時間独占インタビュー特番が予定通り3月7日に放送されると、2人と英王室の“内戦”はさらに泥沼化するのは必至だ。

生き馬の目を抜く米ハリウッドの荒波を生き抜き人気女優の座を手にしたメーガン夫人は、ウィリアム王子の妻、キャサリン妃とは全く別のタイプ。欲しいと思ったものはどんな手段を使っても手に入れなければ気が済まないバリバリのキャリアウーマンだ。

ケンジントン宮殿時代も自分のスタッフに午前5時には電子メールやテキストメッセージを送りつけ、指示を連発したことは有名だ。英王室内部から情報提供を受けたとみられるタイムズ紙は、メーガン夫人は2人の側近を追い出し、3人目のスタッフの自信を傷つけていたことを裏付ける電子メールやテキストメッセージの内容を克明に伝えている。

2018年10月にヘンリー公爵とメーガン夫人の広報担当者ジェイソン・ナウフ氏が、メーガン夫人の圧力からスタッフを守ろうとして「状況は非常に深刻である」とバッキンガム宮殿に通報していた。ヘンリー公爵はナウフ氏に事を荒立てないよう懇願したという。

タイムズ紙が入手した電子メールには次のように書かれている。「メーガン夫人が過去1年間にケンジントン宮殿から2人の秘書を追い出すためにいじめた恐れがあることを非常に心配している。 X氏への扱いは全く受け入れられない」

「メーガン夫人は常に誰かを近くに置くことに熱心なように見える。彼女はY氏をいじめ、自信を傷つけようとしている。 Y氏に対する容認できない行動を目撃した人々から次々と報告があった」

側近の1人は「感情的な残虐行為や心理操縦のように感じられた。これはいじめに当てはまると思う」と証言している。

タイムズ紙によると、メーガン夫人が2018年にフィジーで行われた公式晩餐会で着用したイヤリングはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子からの結婚式の贈り物だった。

その3週間前には在トルコ・サウジ総領事館でサウジ記者が殺害されるという衝撃的な事件が起きている。米情報機関は同皇太子が記者殺害に承認を与えたとみている。

当時、メーガン夫人は「イヤリングは宝石商から借りた」と、記者会見に備えるスタッフには説明していた。またメーガン夫人が国際機関と自分の利害関係からフィジーでの公務を短縮していた疑いも浮上しているという。

情報筋はタイムズ紙に「バッキンガム宮殿とクラレンス・ハウス(チャールズ皇太子の公邸)のベテラン・スタッフは、ヘンリー公爵とメーガン夫人のスタッフ、特に若い女性スタッフがいじめられ、涙を流している状況を知っていた」と訴えている。

「英王室はメーガン夫人を絶えず保護してきた。彼女が嫌う灰色のスーツを着たすべての男性は、スタッフを守るためには全く何もしなかった。彼らには答えるべきことがたくさんある」と付け加えた。

メーガン夫人のいじめにあったスタッフは、英王室の見て見ぬ振りと、スタッフからひどいいじめにあったというメーガン夫人の一方的な言い分に堪忍袋の緒が切れたようだ。

これに対してヘンリー公爵とメーガン夫人の現在の広報担当者は「メーガン夫人は、誤解を招く有害な偽情報に基づく、計算された中傷キャンペーンの犠牲者だ」「自らいじめの標的にされ、痛みやトラウマを経験した人々を支援することに熱心なメーガン夫人の性格への新たな攻撃に悲しんでいる」と反論している。

メーガン夫人が主導するヘンリー公爵の英王室離脱劇は、王室のスタッフを巻き込んで収拾不能な泥沼に入り込んでいる。

(おわり)

在英国際ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。masakimu50@gmail.com

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