神獣を表現する銅版画家・小松美羽さん 大英博物館での所蔵展示に「ドッキリかなと思いました」(動画)

大英博物館に展示された小松美羽さんが彩色を施した狛犬(筆者撮影)

今年7月のエントリーで紹介した、美しすぎる銅版画家、小松美羽さん(30)=長野県出身=が彩色を施した有田焼の狛犬(こまいぬ)2点がロンドンの大英博物館に所蔵展示され、6日、小松さんが展示会場を訪れた。

大英博物館を訪れた小松さん(筆者撮影)
大英博物館を訪れた小松さん(筆者撮影)

大英博物館から狛犬を所蔵展示したいと連絡を受けたときは「ドッキリかなと思いました」と小松さん。この日、所蔵展示された狛犬と再会して、「大きくなった感じがして、びっくりしました」「心の羽が広がったような気持ちです」と目を丸くした。

小松さん(同)
小松さん(同)

大英博物館の日本美術担当、ニコル・クーリッジ・ルマニエール教授は「小松さんの作品を見た瞬間、力があると感じました。表現の力だけでなく、存在感がありました。大英博物館に所蔵展示したいと思いました」という。

狛犬は神社や寺院の前に置かれている獅子に似た獣の像。その起源は仏像の前に2頭の獅子を置いたことにあると言われている。仏教は仏像や2頭の獅子と一緒にシルクロードを通り、インドから中国、朝鮮半島を経て日本に伝来した。

2頭の獅子は平安時代の初め、一方は口を開け(あうんの「阿」)、もう一方は口を閉じて(あうんの「吽」)頭に角をはやし、「狛犬」と呼ばれるようになった。

チェルシーフラワーショーに出展された小松さんの作品(同)
チェルシーフラワーショーに出展された小松さんの作品(同)

小松さんは庭園デザイナー、石原和幸さんから口説かれ、世界最高峰のガーデニングショー「英国チェルシーフラワーショー」に狛犬作品を出展。生命力あふれる作風で7回目の金メダルを受賞した石原さんの庭園に大きなインパクトを与えた。

20歳の頃から死後の世界を「四十九日」と題して描いていた。版画だけでなく、ペン画や帯のデザインも手掛ける。題材は、狛犬など神の守護獣(神獣)だ。昨年5月には出雲大社に作品「新・風土記」を奉納。目の中に宇宙があり、和の心を燃え上がらせる胎児を表現した。

ルマニエール教授から「大英博物館アジア部の中国人、韓国人の学芸員も狛犬を見て、感動していました」と伝えられ、小松さんは「狛犬は中国や朝鮮半島から大きな影響を受けています。私の作品が伝わって良かった」と話していた。

(おわり)