Yahoo!ニュース

古江彩佳の米ツアー初優勝を韓国はどう報じた?キム・ヒョージュ、チェ・ヘジンとの競り合いに注目

金明昱スポーツライター
ルーキーながら米ツアー初優勝した古江彩佳(写真:REX/アフロ)

 今季、米ツアー本格参戦1年目の古江彩佳が米女子ツアーのスコットランドオープン(7月28~31日)でツアー初優勝を手にした。最終日に10バーディー、ノーボギーの圧巻のゴルフで、自己ベストとコース記録となる62をマークし、2位に3打差をつけて逆転優勝した。

 この大逆転劇に韓国メディアも注目せずにはいられなかった。というのも、今大会3位タイに入った米ツアー5勝のキム・ヒョージュ、今季が米ツアー1年目の新人チェ・ヘジン(11位タイ)が大会初日に64をたたき出して首位に立つなど、韓国勢の優勝を期待していたからだ。

 韓国ゴルフ専門サイト「ゴルフ韓国」は「キム・ヒョージュと真っ向勝負した古江彩佳、チェ・ヘジンも突き放してルーキー2度目の優勝」と見出しを打ち、最終日に猛追した古江のゴルフについてこう報じている。

「古江は最終日にキム・ヒョージュとアン・ナリンと同組でプレー。キム・ヒョージュは2番でイーグル、5番でバーディーと追撃したが、古江は6番から11番まで6連続バーディー、最後の4ホールでも3つバーディーを奪って突き放した」

 また、今季が米ツアールーキーでもある韓国のチェ・ヘジンとの新人対決にも注目し、「古江は3月のJTBCクラシックで優勝したアタヤ・ティティクルに続いて、ルーキー2度目の優勝となった。新人賞争いでも952ポイントのティティクル、891ポイントのチェ・ヘジンに次いで、古江は3位(485ポイント)に順位を上げた」と報じている。

153センチの“タンコン”古江彩佳

 また、総合ニュースサイト「ニューシアン」も「153センチの“タンコン”古江がLPGA初優勝」と見出しをつけている。

 ちなみに“タンコン”とは落花生のこと。「小柄ながらもパワーの持ち主」(落花生=小粒ながら食べたらパワーが出る)という意味で、わかりやすく言えば小さな巨人。それくらい最終日の逆転劇は、衝撃的だったのだろう。

 古江に対する紹介も詳細で、「2021年最優秀選手賞(メルセデスランキング1位)を獲得した新鋭。アマチュア時代にプロツアーで優勝してプロ入り後は7勝。昨年12月のQスクールから米ツアーに参戦した。身長153センチで平均飛距離は230ヤードとそこまで飛ばないが、ショットが正確でショートゲームが優れている。ショット前にターゲット方向を向きながら、ぴょんぴょん飛び跳ねる独特なルーティーンを持っている」と伝えている。

 今週はメジャーのAIG全英女子オープンが開催されるが、古江の勢いと日本勢の結果には韓国も注視していることだろう。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

金明昱の最近の記事