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「なんと言えばいいか…」韓国の元阪神オ・スンファンは大炎上での敗戦でメダルを逃し何を語ったのか?

金明昱スポーツライター
3位決定戦のドミニカ戦で8回に5失点したオ・スンファン(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 東京五輪の野球で、韓国代表はドミニカ共和国との3位決定戦で勝利を逃し、手ぶらで帰国することになった。

 韓国は準決勝で日本に敗れたあと、米国との敗者復活でも敗戦。2連敗のあと、銅メダルをかけて挑んだドミニカとの3位決定戦でも6-10で敗れて4位に終わった。

 まさかの3連敗。2008年北京五輪金メダルの韓国は、13年ぶりに正式競技として実施された東京でもメダルを狙っていたが、ドミニカにも力で押し負けた。

 敗因の矛先を向けられそうなのが、6-5で1点リードの8回に登板した元阪神タイガースのオ・スンファン(サムスンライオンズ、呉昇桓)だ。

 満塁からの暴投で追いつかれたあと、元巨人のフランシスコに2点二塁打で勝ち越され、さらにミニセスに2ランを浴びて5失点と大炎上した。

 試合後、オ・スンファンは韓国メディアに向けて敗戦の弁を語っている。

 韓国記者らが声をかけたあとはしばらく沈黙が続き、「なんと言えばいいのか分からない。結果がとても良くなかった。どのように言葉を伝えればいいか分からない」と、絞り出した。

 続けて「とても申し訳ない気持ちが大きい。本当になんと伝えればいいか難しい状況です」と繰り返した。

 大会を通して個人的に感じたことがあるかと聞かれ、「(韓国代表は)これから進んでいくべき部分が明確に残っていると思う。多くの選手たちがつらい思いをしているが、今大会を通して成長していくと信じている」と小さな声で話した。

 それにしても、オ・スンファンにとっては、厳しいタイミングでの登板だったかもしれない。

 期待されながらも打たれることは誰でもある。元は東京五輪の韓国代表に選出されていなかった選手だ。

 東京五輪が始まる前の7月上旬、韓国の先発候補だった選手ら数人のスキャンダルが発覚し、彼らが代表から離脱。その代わりに白羽の矢が立ったのが、昨年メジャーから古巣のサムスンに復帰したベテラン39歳のオ・スンファンだった。

 2014年から2シーズン阪神に在籍し、日本でも知名度の高いクローザーは東京五輪で日本のファンにも勇姿を見せようと思っていたに違いないが、残念な結果に終わってしまった。

 今回のメダル獲得失敗について、彼一人を攻めるわけにもいかないだろう。

「聯合ニュース」は「韓国の野球の実力は、米マイナーリーグのダブルAくらいの“井の中の蛙”だ」と伝え、全体的に韓国プロ野球リーグの根本的な見直しが必要な時期に来ていると危機感を抱いている。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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