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韓国KTがロハスJr.の阪神行き「引き留めに失敗」した理由。KT側は国内メディアに何を語った?

金明昱スポーツライター
2017年にはドミニカ共和国代表としてWBCに出場したロハスJr.(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 韓国リーグで今季、47本塁打、135打点と韓国で2冠王に輝いた両打ちのスラッガー、韓国KTウィズのメル・ロハス・ジュニア外野手(30)が阪神タイガース行きを決めた。

 すでに日本では「阪神タイガースが獲得合意」と報じられているが、韓国側からもその事実が確認されている。

 韓国スポーツ紙「スポーツ朝鮮」は、「KTウィズが最終的にメル・ロハス・ジュニアとの再契約に失敗した。ロハス側は9日、KTに『阪神タイガースと契約した』と話した」と報じている。

 同紙によればロハス・ジュニアが「もっと大きな舞台でプレーしたかった」というのが、阪神との契約理由だという。

 また「ロハスにKBOリーグの歴代外国人打者の最高水準の金額を提示したが、契約に至らなかった。複数年契約を含め、球団が支払える最大値を示したが、再契約に失敗。球団側は早々にロハスとの再契約に総力を注ぎ、最優先課題として業務を処理してきた。しかし、ロハスが日本行きを選択したことで、KTは新たに外国人打者を探している状況だ」と報じている。

 球団としては、なんとしてでもロハス・ジュニアを引き留めたかったようだが、日本行きへの思いには勝てなかった。

 また、同紙は9日の午後、KTのイ・スンヨン団長と電話インタビューし、「ロハスからは話を聞いた。残念な気持ちはあるが、新たな場所でがんばってもらいたい。応援している」との声を伝えている。

 球団側が日本での新たな挑戦にエールを送っているのを見ると、話し合いは円満に進んだようだ。

 ちなみにロハス・ジュニアは韓国リーグ通算511試合に出場して132本塁打、4年連続で打率3割を記録している。KTが代役を見つけるにはまだ時間がかかるだろう。

 一方で、阪神行きを決めたロハス・ジュニアも韓国での実績は十分とはいえ、日本ですぐに活躍できるのかは未知数。矢野燿大監督の期待に応えられるか、注目していきたい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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