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日本はセネガルのココに気をつけろ!韓国との親善試合で見えた攻略ポイントは!?激しい肘打ちで流血も…

金明昱スポーツライター
とにかくセネガルにはデカい選手が多い(写真:Shutterstock/アフロ)

 ロシアW杯のグループリーグ初戦で日本は、コロンビアを相手に2-1で劇的な勝利を収めた。H組の第1戦を終えて、日本とセネガルが勝ち点3で並び、ポーランドとコロンビアが0。

 日本は第2戦のセネガルを下して勝ち点6になれば、最終戦を待たずに決勝トーナメント進出が決まる可能性がある。

 強豪のポーランドを2-1で下したセネガルの強さについては、多くのメディアで語られているように、随所で高い身体能力を発揮し、欧州リーグでプレーする選手を擁した組織的な守備力が特長だ。

セネガルは韓国に2-0で勝利

 今月11日にセネガルは、“仮想日本”と見立てて韓国と国際親善試合を行っている。試合はセネガルが韓国に2-0で勝利した。

 この試合は完全非公開で行われた。韓国ではテレビ中継もなく、観客もメディアも入れなかったのだが、その理由はライバル国に戦力分析されるのを防ぐためだ。

 誰も現地で取材できなかったため、後日、大韓サッカー協会が韓国メディアに伝えた試合内容の詳細が記事になっている。その時の内容を少し振り返ってみたい。

 前半は0-0のスコアレスで終了。後半10分にFWキム・シンウクがオウンゴール、後半32分にムサ・コテナにPKで追加点を奪われて、韓国は完敗を喫した。

 セネガルはMFサディオ・マネ(リバプール)、MFシェイク・クヤテ(ウェストハム)、FWイスマイラ・サール(レンヌ)、DFカリドゥ・クリバリ(ナポリ)などの主力をほぼ出場させて、本番を想定した戦いを繰り広げた。

 結論から言うと、セネガルはかなりのハードワークで試合を展開してくるということがよく分かる。

韓国DFが額を7センチ切る

 この試合で右サイドバックのイ・ヨン(全北現代)は、相手の肘打ちで額を7センチほど切る傷を負い、さらにセンターバックのチャン・ヒョンス(FC東京)も打撲傷を負った。

 激しいコンタクトで負傷したこの二人とやりあったのが、キャプテンのMFクヤテとDFサリフ・サネ(ハノーファー)だったという。クヤテは身長189センチ、サネは196センチと体格がよく、激しく当たられると、なかなかボールをキープできないのは想像に難くない。

 ちなみに、韓国はW杯初戦でスウェーデンと戦い0-1で敗れたが、そのときの右サイドバックがイ・ヨン。彼が額に包帯を巻いて試合に出場しているのを記憶している人もいるだろう。

セネガルはラフプレーが多い?

 総合ニュースサイト『ジョイニュース24』によると、シン・テヨン監督はセネガル戦のあと、記者に向けたブリーフィングでこう語ったという。

「実際に非公開だったので、すべてを語ることはできないが、(これがW杯であれば)、セネガルの2名は退場していただろう。イ・ヨンはもちろん、チャン・ヒョンスへの肘打ちはかなりひどいものだった。イ・ヨンは額を深く切ったが、セネガルにはフェアプレーを心がけてもらいたい。とても激しくてしんどい試合だった」と振り返っている。

 日本もセネガルの激しいコンタクトとフィジカルに押されることも想定できる。

 試合中のケガによって主力が抜けてしまわないことも、大事な要素かもしれない。相手に球際で負けると主導権を握られる可能性が高いのは明白だ。

 アジアの中ではそれでも「フィジカルが強い」と言われる韓国だが、セネガルの身体能力の前にはなす術なく完敗した。

 アフリカの代名詞ともいうべき「身体能力」を駆使したセネガルの激しいコンタクトには絶対に気をつけたい。日本はそこから主導権を握られないように注意すべきだろう。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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