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21年目の大ベテラン、石川雅規は今季初先発で「金田超え」~2022年ヤクルト注目の記録

菊田康彦フリーランスライター
ヤクルト一筋21年目のシーズンを迎える大ベテラン、石川雅規(筆者撮影)

 いよいよ明日、開幕を迎える2022年のプロ野球。球団史上2度目のリーグ連覇、そして初の2年連続日本一に挑む東京ヤクルトスワローズの選手に期待される記録にはどのようなものがあるのか、ここにまとめてみた。

通算488先発は金田正一と並ぶ球団記録

 先に投手の連盟表彰記録から見ていこう。昨年は10月3日の広島東洋カープ戦(マツダ)で史上103人目の通算500試合登板を達成した石川雅規(42歳)が、過去に27人しか到達した者のない通算3000投球回に「47」まで迫っている。これは球団史上では前身のサンケイ、国鉄時代まで遡っても、金田正一(4920回)と松岡弘(3240回)しか成し得ていない大記録である。

 昨年の石川はプロ20年目で初めて開幕ローテーションから外れながらも、17試合の登板で計82イニングを投げている。今年は2年ぶりの開幕ローテ入りが決まっていて、達成は十分に期待できる。

 昨年11月1日のシーズン最終戦(対広島、神宮)では、実に13年ぶりにリリーフとしてマウンドに上がったが、これを除く16試合はすべて先発。通算488試合に先発していて、これは球団では現時点で前出の金田と並ぶタイ記録であり、今季最初の先発で球団新記録となる。残り「23」まで近づいている通算200勝に向け、どれだけ勝ち星を積み上げられるかにも注目だ。

球団3人目の通算100ホールドまで「20」の清水昇

 ほかには昨年10月29日の広島戦で史上153人目の通算1000奪三振を達成した小川泰弘(31歳)が、通算100勝まであと16勝。ルーキーイヤーの2013年にマークした自己最多の数字に並ぶのは簡単なことではないだろうが、本人は「キャリアハイを目指して頑張っていきたい」と話していて、まずは2年連続6回目の開幕投手として良い形でシーズンに入っていきたいところだ。

 リリーフでは昨年、50ホールドの日本新記録を樹立し、2年連続で最優秀中継ぎ投手賞を受賞したセットアッパーの清水昇(25歳)が、通算100ホールドまであと「20」。これは連盟表彰の対象ではないが、球団では松岡健一(127ホールド、現ヤクルト二軍投手コーチ)と押本健彦(101ホールド、現北海道日本ハムファイターズ・チームスタッフ)しか達成していない記録である。

 つまり清水は、今季22ホールドで押本を抜いて単独2位に浮上。昨シーズン並みに荒稼ぎして48ホールドまで伸ばせば、松岡を抜く球団新記録になる。

青木宣親は若松勉、古田敦也に次ぐ偉業も視野に

 野手では昨年8月21日の広島戦(マツダ)で史上74人目の通算300二塁打を達成した青木宣親(40歳)が、今年は複数の連盟表彰記録を視野に入れている。過去に198人が達成した通算1500試合出場まであと「25」。177人が達成している通算150本塁打まで「13」。そして昨年、早稲田大の同級生である鳥谷敬(当時千葉ロッテマリーンズ)が44人目となった1000得点にも「46」まで迫っている。

 この通算1000得点は、球団では過去に若松勉(1015得点)と古田敦也(1003得点)しか成し得ていない偉業である。ちなみに青木は今季でヤクルト13年目だが、メジャーリーグでも6年プレーしており、日米通算では1331得点を記録している。

 また、キャプテンの山田哲人(29歳)は通算250本塁打まであと「2」。こちらは過去に65人が達成しているが、球団では池山隆寛(304本塁打、現ヤクルト二軍監督)とウラディミール・バレンティン(288本塁打、現メキシカン・リーグ)しかいない。

 山田は昨シーズン、一軍定着後では自己最少の4盗塁に終わったものの、今年は自身4度目のトリプルスリー(打率3割・30本塁打・30盗塁)を目指すと公言しており、そうなればあと「20」で到達する通算200盗塁(過去78人)も期待される。こちらは連盟表彰対象外だが、球団では前身を含めても飯田哲也(230盗塁)と佐藤孝夫(219盗塁)しか成し遂げた者のいない記録だ。

フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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