ヤクルト「2010年代ベストナイン」は“小さな大投手”、”ミスター・トリプルスリー”らV戦士勢ぞろい

ヤクルトの本拠地・神宮球場は新たな年代の幕開けを静かに待つ(筆者撮影)

 東京ヤクルトスワローズが今年で球団創立70周年を迎えたのを記念して、1950年から10年の年代ごとに「ディケード(10年間の意)・ベストナイン」を選ぶ連載の最終回。今回はまだ記憶にも新しい2010年代の「ベストナイン」を、各ポジションで最もレギュラーとして起用された野手、および最も勝利、セーブを挙げた投手を基準に選出した(名前の下は2010年代の球団在籍年数および通算成績)。

投手:石川雅規(いしかわ・まさのり)

10年=246試合87勝90敗0セーブ0ホールド、防御率3.89

 2010年代に入っても、大きな故障なくローテーションを守り続ける「小さな大投手」。10年は開幕6連敗から持ち直し、シーズン後半にかけて11連勝の球団新記録(同一シーズン)を打ち立てるなど、自己最多タイの13勝。15年も13勝で14年ぶりの優勝に大きく貢献するなど、この年代で2ケタ勝利を4回マークし、5回の勝ち頭となった。昨年までの通算171勝は金田正一、松岡弘に次いで球団歴代3位。今年も開幕投手に指名されるなど、不惑を迎えてもエース健在である。

投手:バーネット(トニー・バーネット)

6年=260試合11勝19敗97セーブ49ホールド、防御率3.58

※主なタイトル=最多セーブ2回

 2010年に先発として来日。2年目の11年に中継ぎに配置転換されて22ホールドを挙げると、翌12年は守護神として起用され、33セーブでタイトルを獲得する。その後は故障などで精彩を欠いたこともあったが、チームがリーグ優勝を成し遂げた15年は絶対的な守護神として、球団新記録の41セーブをマーク。2度目の最多セーブに輝いた。そのオフに退団して念願のメジャーリーグでプレーし、昨年限りで引退。通算97セーブは球団歴代3位で、この年代では最多。

捕手:中村悠平(なかむら・ゆうへい)

10年=908試合、打率.241、29本塁打、247打点、12盗塁

 強肩を武器に高卒1年目から一軍でマスクをかぶり、2012年には正捕手の相川亮二(現巨人コーチ)のケガもあって91試合に出場。14年は規定打席には届かなかったものの、打率.298、5本塁打をマークした。相川がFAで巨人に移籍した15年は、正捕手としてリーグ優勝を支え、ベストナインとゴールデングラブ賞を受賞。その後も燕の“正妻”としてホームを守り続けている。昨年は2年ぶりの規定打席到達で打率.269、5回目のオールスター出場も果たした。

一塁手:畠山和洋(はたけやま・かずひろ)

10年=841試合、打率.268、113本塁打、481打点、5盗塁

※主なタイトル=打点王1回

 2008年に四番・一塁で頭角を現すと、2010年は小川淳司監督代行(現GM)に外野で起用され、規定打席未満ながら打率.300、初の2ケタとなる14本塁打をマーク。翌11年は再び四番に座ってリーグ2位タイの23本塁打、同3位の85打点で2位躍進に貢献。真中満監督の下でリーグ優勝した15年はいずれも自己最多の26本塁打、105打点で、打点王に輝いた。2016年以降はたび重なるケガに苦しみ、2010年代の終わりと共に引退。現在はヤクルト二軍コーチ。

二塁手:山田哲人(やまだ・てつと)

9年=964試合、打率.297、202本塁打、583打点、168盗塁

※主なタイトル=MVP1回、本塁打王1回、盗塁王3回、最多安打1回、最高出塁率1回

 ドラフト1位で入団して3年目の2013年途中から正二塁手に定着すると、翌14年は日本人右打者では新記録となる193安打を放ち、ベストナインを初受賞。15年は打率.329、38本塁打、34盗塁で史上9人目のトリプルスリーを達成し、本塁打王、盗塁王、そしてMVPに輝いた。背番号を23から「1」に替えた16年に、史上初の2年連続トリプルスリー。18年には、三たびこれを成し遂げている。1068安打、168盗塁はこの年代ではチームトップ。

三塁手:川端慎吾(かわばた・しんご)

10年=893試合、打率.298、36本塁打、349打点、15盗塁

※主なタイトル=首位打者1回、最多安打1回

 高卒5年目の2010年途中から正遊撃手に定着し、12年はリーグ7位の打率.298を記録。2013年のシーズン後半から、宮本慎也に代わってサードのレギュラーに回ると、14年には規定打席到達年では初の打率3割となる.305(10位)をマークした。天才的とも評されるバットコントロールで、15年には195安打、打率.336で最多安打と首位打者を獲得。初のベストナイン、ゴールデングラブ賞にも輝いた。今年1月に腰の手術を受け、復活を目指している。

遊撃手:大引啓次(おおびき・けいじ)

5年=393試合、打率.244、21本塁打、125打点、17盗塁

 2008年の途中で宮本慎也が三塁にコンバートされて以降、絶対的なレギュラー不在だった遊撃の穴を埋めるべく、2014年オフにFAで北海道日本ハムファイターズから移籍。堅実なフィールディングで内野守備の底上げに寄与し、15年はプロ9年目で初めて優勝の喜びを味わった。定位置を三塁に移した18年は、自己最少の出場47試合ながら打率.350をマーク。この年代で、同じく正遊撃手を3年務めた川端慎吾は三塁手で選出されているため、ここでは大引を選んだ。

左翼手:バレンティン(ウラディミール・バレンティン)

9年=1022試合、打率.273、288本塁打、763打点、7盗塁

※主なタイトル=MVP1回、本塁打王3回、打点王1回、最高出塁率2回

 類まれなパワーで、来日1年目の2011年から2年連続でホームラン王を獲得。13年は故障で出遅れながらも、日本記録を49年ぶりに塗り替えるシーズン60本塁打を放ち、リーグでは王貞治(巨人)以来となる3年連続の本塁打王に。チームは最下位ながら、異例のMVPに選ばれた。アキレス腱痛もあって14年に定位置を右翼から左翼に移し、18年には自身の持つ球団記録に並ぶ131打点で、初の打点王を獲得している。通算本塁打と打点はこの年代ではチームNO.1。今季から福岡ソフトバンクホークスに移籍。

中堅手:青木宣親(あおき・のりちか)

4年=549試合、打率.319、44本塁打、232打点、31盗塁

※主なタイトル=首位打者1回

 背番号を「ミスター・スワローズ」の象徴といわれる1番に替えた2010年に、自身2度目のシーズン200本超えとなる209安打をマーク。打率.3585で若松勉が保持していた球団記録を39年ぶりに更新し、3度目の首位打者に輝いた。12年からメジャーリーグに活躍の場を移し、18年のキャンプ中にルーキー時代から背負った23番でヤクルトに電撃復帰。リーグ4位の打率.327、自己最多の67打点をマークし、チームを2位躍進に導いた。今年からキャプテンに就任。

右翼手:雄平(ゆうへい)

10年=777試合、打率.295、65本塁打、371打点、38盗塁

 東北高からドラフト1巡目で入団した2003年に5勝を挙げるなど、投手として通算18勝したのち、2010年から外野手に転向。ひたむきな努力で12年終盤から一軍に定着すると、13年の右ヒザ前十字靱帯断裂という重傷を乗り越え、14年には打率.316(リーグ6位)、23本塁打でベストナインに輝いた。翌15年はリーグ優勝を決めるサヨナラ打を放つなど、その後も正右翼手としてプレー。18年にはキャリアハイの打率.318(リーグ7位)で2度目の10傑入り。

2010~19年:東京ヤクルトスワローズ

順位=6位4回、2位2回、1位1回、3位1回、4位1回、5位1回

通算646勝743敗46引き分け 勝率.465

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