【4月の平均観客動員数が2010年以来の低調】

 スポーツ専門サイトの『the Score』が現地時間の5月7日に、MLBの4月の観客動員動向に関する記事を配信した。

 それによると、リーグ全体の平均観客動員数は2万5258人に止まり、同月の平均観客動員数では2010年以来となる2万6000人を下回る結果になった。

 昨年12月から始まったロックアウトが労使交渉の難航で3月まで長期化し、一時は通常シーズンの162試合実施も危ぶまれた。

 ファンを無視したような労使交渉のやり方に、メディアからもシーズン開幕前からファン離れの危険性が指摘されていたが、今回のデータが示すように厳しいスタートになったようだ。

【30チーム中16チームが2019年比で増加】

 MLB全体では落ち込みを見せる中、チーム別ではかなり違った傾向にある。

 2020年は新型コロナウイルスの影響で短縮シーズンとなり、2021年も4月は入場制限をしていたため、同サイトは2019年シーズンの4月の平均観客動員数と比較しているが、30チーム中16チームが同年比より増加している。

 MLBトップの増加率を見せたのがブルージェイズで、54.1%増(2019年が2万452人で2022年が3万1516人)を記録している。

 一方減少傾向にある残り14チームを見ると、最大の減少率を見せているのが本拠地球場の移転問題を抱えるアスレチックスで、57.5%減(2019年が1万9685人で2022年が8357人)となっている。

 まだシーズンが開幕したばかりで各チームのホーム試合開催数にバラツキがあるため、正確な傾向が反映されているとは言い切れないが、昨オフに戦力補強に積極的ではなかったマーリンズ(51.9%増)、オリオールズ(41.1%)、レッズ(26.0%)が大幅に伸ばしているのが興味深い。

【好調エンジェルスはなぜか13.8%減】

 逆にチームが好調なスタートを切っているにもかかわらず、観客動員数を減らしているチームがいる。現在地区首位につけているヤンキースとエンジェルスだ。

 ヤンキースは2019年比で11.1%減(3万9817人から3万5385人)で、エンジェルスも同13.8%減(3万6774人から3万1694人)となっている。

 毎年のように大型補強を続けてきたヤンキースの場合、昨オフに関しては目立った大物選手の補強を行っておらず、ファンも今シーズンのチーム状況を様子見している可能性がありそうだ。

 だがエンジェルスは、昨シーズン大谷翔平選手が伝説として語り継がれるような活躍でMVPを受賞し、さらにノア・シンダーガード投手をはじめとする投手陣の補強を断行し、メディアの間でもその評価は高かった。

 そしてその評判通り4月は地区首位で終えているのに、2019年よりも平均観客動員数を落としているのだ。

【大谷人気だけでは集客増は期待できず?!】

 ただエンジェルス・ファンからすれば、長年にわたり裏切り続けられた過去がある。

 これまでもシーズン前の下馬評が高かったシーズンは度々あったが、2014年以来ポストシーズンから遠ざかっているのだ。まだ今シーズンのチームに信用し切れない面があったとしても仕方がないところだろう。

 例えば、昨シーズンのホーム最終戦を思い出して欲しい。

 この試合で大谷選手がシーズン最終登板に臨み、1918年のベーブ・ルース選手以来の「2桁勝利&2桁本塁打」に挑んでいたが、チームとしてはすでに消化試合だったため、エンジェル・スタジアムには空席が目立ち2万2057人のファンの集客に止まっていた。

 つまりエンジェルス・ファンは、昨年から大谷選手の個人記録だけでは満足しておらず、チームの勝利に飢えているという証左なのではないだろうか。

 ただエンジェルスの昨シーズンの平均観客動員数(入場制限時の試合を含む)は1万8667人まで落ち込んでおり、ようやく今シーズンは例年並みに戻りつつあるのは間違いない。

 今シーズンのエンジェルスは、どれだけのファンを集めることができるのだろうか。