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史上初!ヤンキースが傘下チームで女性監督を起用へ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
バルコベック氏の監督就任を報じる米メディア(スポーツ専門サイトより抜粋)

【ヤンキース傘下チームで女性監督が誕生】

 米のプロ野球史に新たな歴史が加わった。

 米の複数メディアが報じたところによれば、ヤンキースは現地時間の1月9日に、傘下1Aのタンパ・ターポンズの新監督に史上初の女性を任命したと発表した

 今回監督に就任するのは、レイチェル・バルコベック氏だ。彼女は2019年11月にMLB史上初めて常勤の女性コーチとしてヤンキースに採用され話題になった人物で、就任3年目で更なる重責を担うことになった。

【元ソフトボール選手が独学でMLBの世界へ】

 バルコベック氏はニューメキシコ大学を卒業するまでソフトボール選手として活躍していた。その一方で大学では運動科学を先攻し、卒業後はルイジアナ州立大学で動作学の修士を取得するなど、ずっとスポーツ関連の学問に身を置いてきた。

 またバルコベック氏はMLBの世界で働くことを夢見て複数チームに履歴書を送るなど積極的な就職活動を続けた。その結果2012年にカージナルス傘下ルーキーリーグのジョンソンシティ・カージナルスで、臨時のストレングス&コンディショング・コーチとして採用され、翌年には同チームで女性初の常勤コーチに就任している。

 その後2016年からアストロズに採用され、ラテン系選手のストレングス&コンディショング・コーチに就任し、そこでスペイン語を習得。2018年にはアストロズ傘下2Aのコーパスクリスティ・フックスのストレングス&コンディショング・コーチに昇格している。

【オランダ留学で打撃コーチとして開花】

 そんなバルコベック氏に転機が訪れた。一度MLBから離れ、人間行動学を学ぶためオランダ留学。そこで人間行動学の修士を種とする傍ら、留学先の大学の野球&ソフトボールのコーチを務めることになった。

 帰国後は留学経験を生かし、大谷翔平選手の昨オフに利用したことで有名になった、野球選手のトレーニング施設「ドライブライン」のスタッフに加わり、打者の動体視力や投手の動作解析の研究に従事。選手のコンディショングに止まらず、技術面での見識を増やしていった。

 そうした彼女の功績が評価され、前述通りヤンキースが打撃コーチとして彼女を迎え入れていた。

 現在MLBはロックアウトの真っ最中だが、MiLBはまったく影響を受けておらず、スプリングトレーニングも予定通り実施されることになっている。

 バルコベック氏の采配に注目したいところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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