遂にアルバート・プホルスと袂を分かつ決断をしたエンジェルス!その裏にある大谷翔平ら若手選手の台頭

シーズン途中で40人枠から外されたアルバート・プホルス選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【エンジェルスがプホルス選手のDFAを発表】

 エンジェルスが現地時間の5月6日のレイズ戦を前に、41歳のアルバート・プホルス選手を40人枠から外す措置(いわゆる「DFA」)を行ったと発表した。

 これによりプホルス選手はウェーバーにかけられることになるが、他チームが獲得に手を上げる場合、今シーズンの年俸3000万ドルの残り分を負担しなければならず、可能性はほぼゼロといえる。

 残る2つの選択肢は、エンジェルスとマイナー契約を結びチームに残留するか、FAとして他チームと再契約を模索するかのいずれかになるが、ペリー・ミナシアンGMによれば、プホルス選手は他チームでの現役続行を希望しており、FAとして他チームと交渉に臨むことになりそうだ。

【契約最終年を全うできず】

 カージナルス時代の2010年に本塁打と打点の2冠王に輝くなどMLB屈指のスラッガーとして知られたプホルス選手は、2011年オフに10年総額2億4000万ドルの大型契約を結びエンジェルスに移籍してきた。

 この大型契約に関し、当時31歳だったプホルス選手に41歳まで高額年俸を保証することに疑問の声が上がったりもした。実際移籍後の彼は、相次ぐ故障もあり年齢を重ねるごとに成績も下降気味で、エンジェルスでの通算打率は.256に止まっている。

 またプホルス選手が移籍して以降チーム自体の成績も上がってこず、ポストシーズン進出は2014年の1回のみ。ここ数年はオフになる度にメディアの間から、チーム再建を目指すためのプホルス選手放出論が叫ばれていた。

 それでもエンジェルスはプホルス選手を残し続け、今シーズン契約最終年を迎えていた。開幕前にはプホルス夫人が、シーズン終了後に現役引退すると発言し話題にもなったが、いずれにせよエンジェルスで契約を全うできるかと思われた。

【大谷選手ら若手の台頭でチーム事情に変化】

 いざシーズンが開幕すると、プホルス選手のバッティングは例年以上の不振が続き、4月の月間成績は、打率.211、5本塁打、12打点に終わった。5月に入ると、さらに下降線を辿り、現時点で打率は.198まで下がっている状態だった。

 その一方で、チーム内にプホルス選手を脅かす若手選手たちが台頭してきた。その2人が大谷翔平選手とジャレッド・ウォルシュ選手だ。

 エンジェルスでは一塁とDHで起用されてきたプホルス選手だが、大谷選手が今シーズンから二刀流の起用法に制限がなくなり、登板日のDH解除だけでなく、登板日前後もDHとして出場するようになった。

 しかも大谷選手は開幕から主軸打者として攻撃の核になる存在として目覚ましい活躍を続けてきたことで、プホルス選手はDHとしての出場機会を完全に失っていた。

 さらに主に右翼として起用されていたウォルシュ選手が現在も打率.333を維持するなど、開幕から好調なバッティングを披露。彼はマイナー時代から一塁も任されており、今シーズンもプホルス選手に代わり一塁として9試合に先発出場していた。

 このようにプホルス選手を取り巻く環境は、確実に変化していったのだ。

【現役続行に黄信号が灯るプホルス選手】

 今回の決断を下したミナシアンGMは、ジョー・マドン監督、ジョン・カルピーノ球団社長とともにオンライン会見を実施し、以下のように説明している。

 「選手たちに与えられる出場時間を考えた上での決断だった。我々にはジャレッド・ウォルシュという若い一塁手がいて、彼を毎試合一塁で起用したかった。さらにショウヘイ・オオタニがDHにいる。

 そうした中でアルバートはベンチ選手ではないし、彼に出場時間を与えられないのは、彼にとってもチームにとっても良いことではない。これが絶好のタイミングだとは思わないが、チームにとっては最善の決断だった」

 MLB歴代5位の本塁打数(667本)、同3位の打点(2112)など輝かしい成績を残し、すでに殿堂入りが約束されているプホルス選手。前述した通り、今後はFAとして他チーム移籍を目指すことになりそうだが、ここ数年の打撃不振は顕著だ。

 すでにプホルス選手の現役続行は、限りなく赤に近い黄信号が点灯しているのではないだろうか。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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