プレーオフで上位崩しに期待がかかるクボタの強豪チームに匹敵するチーム力

トヨタ自動車戦で果敢に突進するピーター・ラピース・ラブスカフニ選手(筆者撮影)

【ペスト8を懸けたプレーオフ2回戦】

 4月17日からプレーオフトーナメントに突入したトップリーグだが、今週末はベスト8入りを懸け、プレーオフ2回戦、計8試合が行われる。

 来シーズンはトップリーグから新リーグに移行することが決まっている中、トップカテゴリーのディビジョン1は、現在の16チームから12チームに絞り込まれることになる。

 それを考慮した上で今回のプレーオフ2回戦は、ディビジョン1入りをより確実にするためにも、各チームにとって大きな意味を持つ戦いになりそうだ。

【上位崩しに期待がかかるクボタとNTTドコモ】

 そんな中、シーズン前半戦の2つのカンファレンス(ホワイトとレッド)に分かれて実施されたリーグ戦では、優勝候補に挙げられている強豪チームの盤石ともいえる戦いぶりが光った。

 レッドではサントリーが、そしてホワイトではパナソニックと神戸製鋼が無敗を守り、プレーオフトーナメントに上位シードされている。リーグ戦で下位に沈んだチームとの実力差は歴然としていた。

 順当にいけば、前述の3チームにレッドで1敗を守ったトヨタ自動車の4チームがベスト4入りすることになりそうだが、そんな上位チームを脅かす存在がいるのも確かなことだ。

 本欄でも何度か報告している、リーグ戦で快進撃を続けたNTTドコモ。そしてレッドで上位チームと互角の戦いを演じていた、クボタの2チームだ。

【サントリー、トヨタ自動車にも互角だったクボタ】

 すでにNTTドコモに関しては、リーグ最終戦で神戸製鋼相手に大健闘しているのは本欄で報告済みだが、クボタもリーグ戦での健闘が光る。

 特に印象的だったのが、リーグ最終戦のトヨタ自動車戦だ。これもトヨタ自動車側から本欄で報告しているが、後半ロスタイムで敗れはしたものの、試合全般でみると終了間際までリードを保っていた通り、クボタが優位に試合を進めていた。

トヨタ自動車戦では密集地域で優位に試合を展開してたクボタ(筆者撮影)
トヨタ自動車戦では密集地域で優位に試合を展開してたクボタ(筆者撮影)

 しかも前半終了間際に、山本剣士選手、ピーター・ラピース・ラブスカフニ選手が立て続けにイエローカードを宣告され、一時は13人で戦わなければならないという不利な状況に置かれながらも崩されることはなかった。やはりチーム力の高さを物語っている。

 またサントリー戦でも、7対23と劣勢で前半を終えながら、後半に猛反撃をみせ、一度は26対26の同点に追いついているのだ。どう見ても、クボタがサントリー、トヨタ自動車と同等の実力を有しているのは明らかだろう。

【プレーオフで更なる成長を目指す】

 今シーズンのクボタを支える主力選手の1人は、新加入した南アフリカ代表フッカーのマルコム・マークス選手だろう。彼の正確なスローとフィジカルの強さは言うまでもなく世界トップクラスで、トヨタ自動車戦でクボタがラインアウト、モールで優位に立っていたのも彼の存在が大きい。

 2019年ワールドカップ王者であり、歴戦を重ねてきたマークス選手でも、トヨタ自動車戦での敗北はかなりショックだったようだ。敗戦が決まった直後、グラウンドにヒザをついたまましばらく立ち上がることができなかった。

後半ロスタイムの敗戦に思わずヒザをつくマルコム・マークス選手(筆者撮影)
後半ロスタイムの敗戦に思わずヒザをつくマルコム・マークス選手(筆者撮影)

 「こうした試合は毎回いい気持ちではありません。ここから学ぶことが大事だと思います。よかった部分をポジティブに捉えて、そこをさらに上げていく。ミスだったり、よくなかった部分は改善して成長していく。

 選手たちはしっかりファイトしてくれたので、自分たちにフォーカスして戦っていきたいです」

 マークス選手はさらにチームとして成長して、プレーオフトーナメントに戻ってこようとしている。それはフラン・ルディケ・ヘッドコーチも同様だ。

 「この試合(トヨタ自動車戦)では、ラインアウトもそうですし、すべてやりたいことができていました。ただ最後の部分で負けてしまったのは残念ですが、それもラグビーだと思います。

 またこの試合から自信をつけられましたし、また(プレーオフトーナメントに)戻ってきたいと思いますし、シーズンをいいかたちで終えたいと思っています」

 2週間の調整期間を経て、果たしてクボタはどんなラグビーを披露してくれるのだろうか。まずは4月24日のヤマハ発動機戦に臨む。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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