昨季の投打にわたる不振は下半身が原因?!大谷翔平が過去2年間できていなかったこと

キャンプ初のライブBPに登板した大谷翔平選手(Angels Baseball)

【マドン監督が大谷投手の投球を絶賛】

 3年前のトミージョン手術以来、初めて万全の状態でスプリングトレーニングに参加している大谷翔平選手だが、すでに報じられているように、現地時間の2月24日に初のライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板し、最速97マイル(約156キロ)を記録するなど、順調な調整ぶりをアピールしている。

 ジョー・マドン監督は2月25日に行われたオンライン会見で、この投球を見守っていたとし、以下のように好評価を与えている。

 「ここ数日彼を観察してきて、昨年とは比較にならないくらい良くなっている。球威、制球力、マウンドの立ち姿、フィニッシュの仕方と、すべてが連結しながらまとまっている。

 我々としても現在の状態を維持させながら、さらにビルドアップさせたい」

 マドン監督の発言からも理解できるように、現時点で大谷選手の投手としての調整は順調に進んでおり、このままスムーズにオープン戦登板に移行していけそうな状況だ。

【実はベスト体重ではなかった昨シーズン】

 ここまで順調に推移している最大の要因は、大谷選手が「患部の部分が去年より馴染んでいる」と説明しているように、手術した右ヒジの状態が昨年以上に改善され、違和感なく投げられるようになったからだろう。

 また本欄でも指摘しているように、投球フォームが昨年から進化したことで、マドン監督が指摘しているように、投球フォーム全体が連動し、かつてない安定感を生み出しているとも考えられる。

 そのカギを握っているものが、実は下半身なのではないだろうか。

 これも大谷選手が説明していることだが、実は昨シーズンの大谷選手はベスト体重でシーズンに臨むことができなかったという。その理由は2019年シーズン終盤で受けた左ヒザの手術をを受けた影響で、昨オフはリハビリ中心で過ごしたため、下半身強化に取り組めなかった。

 昨年のスプリングトレーニングでは、メディアから大谷選手の上半身ばかりが注目され、「さらにマッチョになった」と報じられていたが、実際は体重を減らしていたことを、今回大谷選手は明かしてくれたのだ。

 そして今オフはようやく本格的に下半身を強化することができ、体重を「2018年、2019年くらいには戻っている」状態にし、現在は102キロを維持しているという。

 もちろん投手にとって下半身は、投球フォームの土台となる重要な要素だ。それが昨シーズンは、筋力的に弱っている状態でキャンプに突入し、強化できないままシーズンを迎えていた。

 それが投球フォームにも影響したことで制球力を乱し、最終的にまだ万全ではない右ヒジに負担をかけ過ぎてしまったと考えると、すべての説明がつかないだろうか。

【大谷選手にとって左は軸足】

 もちろん下半身の不安定は投手としてばかりでなく、打者としても悪影響を及ぼす。特に手術した左ヒザは、大谷選手にとって軸足になるので、打撃への影響は否定できないところだ。

 その点について大谷選手は、以下のように説明している。

 「(今オフに取り組んだ打撃の改善点は)軸足ですね。軸足をしっかり使えるように…。

 去年から(コーチに)言われてもいましたし、自分でも感じてはいましたけど、(左ヒザの)術後の1年というのもあって、リハビリと並行しながら(強化を)やっていくというのがなかなか難しかった1年だったかなと思います。

 やっぱり最初は練習もできなかったので、尚更そういうの(軸足を使えない打撃)が出ていたのかなと思います」

 今オフは投球のみならず、打撃に関してもスプリングトレーニング前にライブBPに取り組むなど、ある程度仕上げてきたと説明している。ただこれに関しても、2018年と2019年のオフは手術のためリハビリに専念せざるを得なかったためであり、逆に今オフは、大谷選手本来のオフの過ごし方に戻すことができたのだ。

 下半身の状態が2018年当時に戻ったという大谷選手。今シーズンの二刀流の完全復活に向け、続々好材料が揃い始めている。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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