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NBAがシーズン再開後の選手の不参加を容認! 回答期限は6月24日

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
ESPNの特番で選手の不参加を容認する発言をしたアダム・シルバー・コミッショナー(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【ESPN特番でNBAコミッショナーが選手不参加を容認】

 すでに選手会と合意し、7月30日のシーズン再開を目指し調整を続けているNBAだが、その一方で最近になってカイリー・アービン選手を含め複数選手から復帰することに疑問の声が上がっている。

 そんな状況下でアダム・シルバー・コミッショナーはESPNの特番に出演し、シーズン再開後も選手の意思を尊重し、不参加を容認する発言を行った。

 「我々が進めているシーズン再開案は、すべての選手にとって納得できるものではないのは理解している。

 色々な理由があるだろう。家族的な理由もあれば、健康上の理由もあるだろう。また最近選手たちが発言しているように、もっとも別にやるべきことがあるのかもしれない」

【選手会が全選手に通達書を送付】

 コミッショナーの発言を裏づけるように、選手会は現地時間の6月16日、全選手に通達書を送付し、再開後のシーズンに参加するかは選手の意思に委ねられることを改めて説明している。ESPNら複数メディアが報じている。

 この通達書によれば、選手は参加するかどうかを6月24日までに回答しなければならない。ちなみに不参加を決めた選手は、試合に出場できない選手と同様に、最大14試合まで1試合当たり1.1%のサラリー削減を受け入れなければならない。

 ただこれ以外にリーグから何の処分を受けることはないため、選手たちは参加を強制されることはまったくない。そのため八村塁選手、渡邊雄太選手も参加を回避する権利を有していることなる。

【参加選手向けの復帰マニュアルも詳述】

 また通達書には、参加選手向けの現時点からシーズンが終了予定の10月13日までの新型コロナウイルスに対応した復帰プランが詳述されている。

 プランは6段階に分かれ、まずは参加が決定している22チームの選手は6月15日からチーム本拠地(ラプターズだけフロリダ州の大学)への移動を開始し、まずは当地で10~14日間の待機期間が設けられている。

 また選手は6月23日から2日おきに検査を受けることが義務づけられている。そして待機期間が終了すると、7月1日からチーム施設での練習が認められる。ただし個別練習のみで全体練習は禁止されている。

 その後7月7日以降からグループに分かれてウォルト・ディズニー・ワールド(WDW)への移動を開始。まずは同地で2回の検査を受けいずれも陰性が確認されれば、ようやくWDWでの活動を開始でき、そこから30日の開幕に向け、チーム練習を実施していく予定になっている。

 現時点でどれ程の選手が参加を取りやめるのか定かではないが、レブロン・ジェームス選手らスター選手の動向が注目されるところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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