Yahoo!ニュース

マリナーズのシーズン開幕戦が中止に! ワシントン州がシアトル地域でのイベント禁止へ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
マリナーズの本拠地球場「Tモービル・パーク(旧セーフコ・フィールド)」(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【ワシントン州知事がシアトルでのイベント禁止を発表】

 新型コロナウイルスの感染拡大で、いよいよ米国でもイベント開催に影響を及ぼすことになった。

 すでに非常事態を宣言しているワシントン州のジェイ・インスリー知事はシアトル地域における250人以上が集まるイベントすべてを禁止する方針を固めた。ESPNなどの米主要メディアが3月10日、一斉に報じている。

 もちろんイベントにはスポーツ競技も含まれており、これにより3月27日に地元シアトルでシーズン開幕戦を控えるマリナーズも、実施できなくなった。

【ワシントン州の感染者数は全米2位】

 米メディアの報道によれば、ワシントン州の感染者数は3月10日時点で267名(うち24名死亡)を数え、ニューヨーク州に次ぐ被害を受けている。今回の決定も、州内での集団感染のリスクを軽減するための措置だ。

 シアトルにはマリナーズの他に、MLS(サッカー)のサウンダーズが同地域を本拠地にしているほか、3月19、20日にNCAA(全米大学体育協会)の男子バスケットボールの全国大会1、2回戦の開催が予定されており、各組織ともに迅速な対応が急がれるところだ。

【MLBは開催地変更で実施か?】

 ただAP通信が報じたところでは、MLBは何とかスケジュール通りのシーズン開幕を実現したい方針で、新型コロナウイルスに影響を受けている地域の試合は、ホームとアウェイチームを入れ替えて開催していくことを検討しているという。

 この案が決定した場合、マリナーズは3月27日からシアトルでレンジャーズ、ツインズとそれぞれ3連戦を戦うことになっているが、これをダラスとミネアポリスに変更して開催されることになる。

 そうなるとマリナーズは、州のイベント禁止が解除されるまでずっとアウェイで戦わなければならず、チームは相当負担を強いられることになる。

【追随する州が増える可能性も】

 またニューヨーク州では多くのプロチームが集結するニューヨーク市に程近いウェストチェスター地区で感染者が急増しており、今後の状況次第ではニューヨーク市にも拡散する恐れがある。

 さらにニューヨーク州、ワシントン州と同様に、非常事態を宣言しているオハイオ州やフロリダ州も多くのプロチームを有しており、さらにイベント中止を決定する州が増加していく恐れがある。

 このような状況下で、MLBは予定通りシーズンを開幕することができるのだろうか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

菊地慶剛のスポーツメディア・リテラシー

税込550円/月初月無料投稿頻度:月3、4回程度(不定期)

22年間のMLB取材に携わってきたスポーツライターが、今年から本格的に取材開始した日本プロ野球の実情をMLBと比較検討しながらレポートします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

菊地慶剛の最近の記事