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ダルビッシュ有、大谷翔平、菊池雄星が北米スポーツ専門サイトで今季のカギを握る選手に選出

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
今シーズンは完全復活間違いなし?のダルビッシュ有投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【北米スポーツ専門サイトが今季のカギを握る30選手を選出!】

 MLBは現地28日、本格的に2019年シーズンが開幕し、各チームともに6ヵ月間に及ぶ長丁場を戦い抜くことになる。シーズン開幕(日本開幕戦は除外)を25人枠入りして迎えられた日本人選手はたった5人。ここ数年は徐々に減少傾向にあり、長年MLBを取材してきた身としては実に寂しい限りだ。

 再び多くの日本人選手たちがMLBに挑戦する日は来るのだろうか…。

 そんな中、北米スポーツ専門サイト『the Score』が、開幕直前に面白い開幕特集記事を公開した。記事のタイトルは「30 X-factors for the 2019 MLB season」。同サイトのジェイソン・ウィルソン記者が、各チームで今シーズンのカギを握りそうな選手30人を選出し、紹介しているものだ。

【ダルビッシュ、大谷、菊池の3選手が選出!その選出理由は?】

 同記事で選出された30選手は、各チームが今シーズン成功する上で彼らの活躍が必要不可欠な存在だと判断されたものばかり。その中にダルビッシュ有投手、大谷翔平選手、菊池雄星選手――の日本人3選手が含まれているのだ。

 以下に3選手を選んだウィルソン記者の選出理由を紹介する。

 ●ダルビッシュ投手

 「ダルビッシュは2018年にカブスが大金を出して獲得したFA選手だったが、悲惨な状態と呼ぶに等しいものだった。ベテラン右腕は繰り返し襲われた負傷のため、シーズン終了までに8度の先発でわずか44イニングしか投げられず、防御率4.95に終わった。カブスの先発ローテーションは実績ある投手が顔を揃えている一方で、年齢やけがのリスクもあり決して盤石ではない。しかしながらダルビッシュが30試合登板してくれるようなら状況は変わり、カブスは簡単に地区優勝できるだろう」

 ●大谷選手

 「エンゼルスで2年目のシーズンを迎える大谷は、より困難と直面することになるだろう。昨年はMLBで二刀流として成功できるのかという疑問を払拭し、シーズンを通して投打ともに圧倒的な活躍をみせた。トミージョン手術のため2019年は投手としての役目から外れ、打者として戻るまで故障者リスト入りで開幕を迎える。彼のバットは新たに契約延長したマイク・トラウトとともに、エンゼルスを牽引しポストシーズン進出と導く大きな要素の1つだ」

 ●菊池投手

 「日本人選手がMLB挑戦する際は、しばしば期待と懐疑が飛び交う。だが現在は菊池の美しく幻惑的な投球フォームはマルコ・ゴンザレスとともに、チーム再建に入ったマリナーズの先発ローテーションの中でスポットライトを浴びる存在になった。デビュー戦では4.2イニングしか投げられなかったが、正しい一歩を踏み出した。彼は1失点に抑え、3三振、1四球の内容で、5-4のチーム勝利に貢献した」

【3選手の成功なくしてチームの成功はなし?】

 ウィルソン記者が解説しているように、この3選手がチームが成功するための重要な要素であることは間違いない。

 ダルビッシュ投手はその実績に何の疑いようもなく、故障なく1年間ローテーションを守ってくれるだけでカブス先発陣は100%安定感を増す。また大谷選手はすでにトラウト選手に次ぐ大砲で、復帰後彼が指名打者として昨年並みの活躍をしてくれなければ、エンゼルス打線はうまく機能しなくなる公算が強い。

 菊池投手に至ってはMLB1年目から大きな期待を寄せるは気の毒な面もあるが、現在のマリナーズ先発陣にエース格投手は不在といってよく(フェリックス・ヘルナンデスの復活にも期待はかかるが…)、すでに“先発2番手”の扱いを受けローテーションの柱になりつつある。

 ウィルソン記者同様に、日本人3選手の今シーズンの活躍に期待したいところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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