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息子とともにNBAのコートに立つ! レブロン・ジェームズが抱く遠大なる野望

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
長男(左)と一緒にNBAでプレーすることを夢見るレブロン・ジェームズ選手(中央)(写真:ロイター/アフロ)

 米スポーツ専門サイトの『The Score』が現地28日に報じたところでは、レブロン・ジェームズ選手が将来的に息子と一緒にNBAのコートに立ちたい野望を抱いていることを明らかにしている。

 記事によれば、ジェームズ選手はポッドキャスト配信されている『The Tim Ferriss Show』(無料)にゲスト出演し、そこで彼の野望を披露している。発言の内容は以下の通りだ。

 「できれば息子と一緒に同じコートに立ってみたい。今息子(長男)は8年生(日本でいうところの中学3年生)だ。このまま順調に彼の道を進んでいけば、あと5、6年でNBAに到達できる可能性がある。もし実現できれば、自分ばかりではなく家族全員にとって最高の瞬間になるだろう。どうなるか楽しみだね」

 ジェームズ選手は2人の息子がおり、長男のレブロン・ジェームズJrくんは幼いころからバスケを続けている。現在は父とともにカリフォルニアに引っ越しし地元中学のチームに在籍しているが、ジュニア選手のスカウティング活動を行う『Coast 2 Coast Preps』によれば、2023年クラス(2023年に高校卒業予定)の中で全国24位の評価を得ている逸材だ。

 現在のNBAは、ジェームズ選手のように高校から直接プロ入りできないルールになっているため、最も早いケースで大学1年終了後にアーリーエントリーを申請してプロ入りを目指すことになる。その場合2024-25年シーズンに、実現する可能性があるわけだ。もちろんレブロンJr選手がこのままNBA入りできるようなレベルまで成長できることが最低条件になってくる。

 一方ジェームズ選手が5年先まで現役を続けることは、かなり現実的だといえる。今シーズンは彼にとってNBA16年目のシーズンとなるが、過去15年間のうち13シーズンで最低74試合以上(シーズン82試合)の先発出場を果たしており、NBAきっての強靱な肉体を有している。このまま現役を続ければ、2024-25年シーズンを39歳で迎えることになるが、現在現役最年長のビンス・カーター選手は41歳でプレーを続けていることを考えれば、大きな故障がない限り問題はないだろう。

 これまでプロスポーツで親子競演が実現したケースは様々あるが、親子ともに現役選手で同じユニフォームを着たのは、1990、91年にマリナーズに在籍していたケン・グリフィー、ケン・グリフィーJr親子と、2001年にオリオールズに在籍していたティム・レインズ、ティム・レインズJr親子の2例しかない。

 ちなみにNBAでは、ドク・リバース、オースティン・リバース親子のように、父がHCを務めるチームに息子が選手として所属したケースがあるだけだ。もしジェームズ選手の野望が実現するとなれば、NBA史上初の快挙となる。

 ジェームズ選手にとってその野望は間違いなくモチベーションになっており、しばらくは現役を続けてくれそうだ。あとはレブロンJr選手の成長に期待するばかりだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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