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ブレーブス復帰のマッキャンがうっかり失言 会見で大物選手獲得を発表してしまうハプニング

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
6年ぶりのブレーブス復帰が決まったブライアン・マッキャン選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ブレーブスは現地26日、FAになっていた34歳ベテラン捕手のブライアン・マッキャン選手の獲得を発表した。

 マッキャン選手にとってブレーブスはドラフト指名を受け、MLBデビューから9年間を過ごした古巣であり、ジョージア州出身の彼にとって地元チームとして慣れ親しんだチームでもあった。以前から引退前にはもう一度ブレーブスのユニフォームを着たいと公言していただけに、まさに相思相愛となる6年ぶりの復帰となった。MLB公式サイトなどが報じたところでは1年契約の200万ドル(約2億2000万円)。昨シーズンまで1700万ドル(約19億円)の年俸を稼いでおり、破格の条件で復帰を決めている。

 早速本拠地球場の『サントラスト・パーク』で復帰入団会見が開かれたが、家族同伴のマッキャン選手は慣れ親しんだブレーブスのユニフォームに袖を通し終始ご満悦の表情を浮かべた。しかし会見の席で思わぬハプニングを起こしてしまい、出席したメディアから大爆笑を誘っている。

 ハプニングの様子はMLB公式サイトが動画付きで詳細を報じている。

 簡単に説明すると、ブレーブスの若手有望選手について問われたマッキャン選手が「ファームシステムがしっかりしていて若手有望選手次々に台頭し、主力になっている。そこにさらにドナルドソンも獲得した。そうやってチャンピオンを勝てるようになっていく」と発言してしまった。ドナルドソンとはこのオフに注目を集めていた大物FA選手の1人、ジョシュ・ドナルドソン選手のこと。まだこの時点でブレーブスは正式発表していなかったのだ。

 この発言で会見上の雰囲気が変わったことを肌で感じたマッキャン選手は「何かまずいことをいってしまったかい。ツイッターを見たんだ」と笑いながら釈明。それを隣で聞いていたアレックス・アンソポウロスGMは間髪入れずに「絶対にツイッターを信じてはいけない」と笑顔で突っ込みをいれると、マッキャン選手は「ツイッターを信じちゃいけないね。申し訳ない」と苦笑いを浮かべるしかなかった。この様子に会見は大爆笑に包まれた。

 普通に考えて、マッキャン選手はドナルドソン選手の獲得についてツイッターではなく、チームから聞かされていたはずだ。というのも会見終了後に、チームからドナルドソン選手の1年契約が正式発表されているからだ。同じ日に会見に臨んでいたマッキャン選手がその事実を知らなかったはずはないだろう。彼からすれば何気に口を滑らしてしまったのだが、それが完全なフライイングになってしまったというわけだ。

 こうした選手のうっかり発言はマッキャン選手に限ったことではない。自分が記憶する限り、NBA選手(名前までは憶えていない)がやはり超大物選手の入団を明かしてしまい、大爆笑を誘った入団会見を目撃したことがある。笑いに包まれる面白ハプニングなら大歓迎だ。

 ちなみにドナルドソン選手は年俸2300万ドル(約26億円)の1年契約でブレーブスと合意している。大物FA選手に動きが出てきたことで、ストーブリーグはいよいよ活況を呈していきそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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