ヤンキースとレッドソックス 14年ぶりのライバル対決は初のシーズン100勝同士で激突
MLB界最強かつ永遠のライバルといえば、やはりヤンキースとレッドソックスになるだろう。今シーズンも4月の対戦した際に乱闘騒ぎを巻き起こすほど、常に一触即発の緊張感の中で戦いが繰り広げられる間柄だ。
そんな2チームが、現地5日から始まる地区シリーズで対決する。両チームが地区シリーズで対戦するのは今回が初めてのこと。1995年にリーグ3地区制が採用されて以降、今シーズンを含め24年間でヤンキースは20回、レッドソックスも13回のポストシーズン進出を果たしているが、同地区同士ということもあり、これまでポストシーズンで対戦したのはリーグ優勝決定シリーズでの3回のみだった。
だが2003、2004年と2年連続でリーグ優勝決定シリーズで合い交えた際は、いずれも第7戦までもつれる熱戦を繰り広げている。当時はヤンキースに松井秀喜選手が在籍してたので、同シリーズを生観戦していた方も多いことだろう。今回はそれ以来の激突ということになる。
今回の対決が過去と違うのは、ヤンキースとレッドソックスの立場が逆転していることだ。過去3回は地区優勝を飾ったヤンキースにワイルドカードのレッドソックスが挑むという構図だったが、今シーズンは地区優勝を飾ったレッドソックスがヤンキースを迎え撃つかたちだ。とはいえ30チーム中3チームしか到達できなかったシーズン100勝同士の対決だ。しかもシーズン中も両チームの対戦成績はレッドソックスの10勝9敗と互角の戦いを演じており、まったく予断を許さない状況だ。
しかも奇遇なのは、監督同士もお互いが就任1年目というフレッシュ対決だ。さらにヤンキースのアーロン・ブーン監督、レッドソックスのアレック・コーラ監督ともに、メジャー、マイナーでの監督経験がまったくないというところも同じで、今シーズンの最優秀監督賞を争っている2人でもある。2人の采配にも注目が集まるところだ。
「対戦相手にかかわらずプレーオフを楽しみしていた。ただ自分はスポーツ人生はずっとライバル対決の中にいた。マイアミ大(コーラ監督の出身校)対フロリダ州立大、マイアミ大対フロリダ大、ドジャース対ジャイアンツ、この2チーム、そしてアストロズ対レンジャース(笑)。
とにかく楽しみだ。このオフシーズンを戦うためにやってきたんだ。自分が監督に就任すると、むこうはブーニー(ブーン監督の愛称)を契約し、今度はヤンキースがマーリンズと大型トレードをまとめれば、こっちが補強に着手した。
ファンからみれば、皆このシリーズを楽しみにしていたはずだ。球場は大騒ぎになるだろう。その中でプレーするのが楽しみだ。もちろんヤンキー・スタジアムでプレーするのも楽しみで仕方がない。我々は準備できている」
気合い十分のコーラ監督に対し、ブーン監督の現在のチーム状況に自信を覗かせている。
「現在のチーム状況に納得している。後半戦は負傷が相次ぎ苦しい状態だったが、シーズンを通してチームとして戦ってきた。(シーズン途中の)補強もうまくいき、現在は最高の布陣ができたと感じている。
シーズン最後の10日間もいいプレーができていたし、昨夜の試合(ワイルドカード決定戦)でいいスタートを切ることができた。選手たちのいいコンディション、いい精神状態で自信をもって戦ってくれている」
ちなみにポストシーズンでの対戦成績はヤンキースの2勝1敗。今シーズンの地区シリーズで最も注目を集める対決は、果たしてどちらに軍配が上がるのだろうか。