7年ぶりのMLB日本開催はアスレチックス対マリナーズ?

2012年に東京ドームで実施されたマリナーズ対アスレチックス戦(写真:ロイター/アフロ)

 すでに日本の複数メディアが報じているように、MLBが2019年に日本で開幕戦を実施する準備を進めている。2016年12月にMLBと選手会が合意した統一労働協約に「国外試合開催」の一環としてアジアでの公式戦開催が明記されており、それが実行に移されるものだ。

 最後に日本で公式戦が開催されたのは2012年で、マリナーズとアスレチックスが東京ドームでシーズン開幕戦を2試合戦っている。実に7年ぶりの日本開催となるのだが、やはり気になるのはその対戦カードだろう。

 そんな中アスレチックスの番記者である『San Francisco Chronicle』紙のスーザン・スラッサー記者が現地21日付けで、6年前と同じアスレチックス対マリナーズに決定したと報じたのだ。まだMLBから正式発表されているわけではないが、スラッサー記者は情報源を元に断定的に報じている。

 アスレチックスといえばこれまで日本で開催された5回の開幕戦シリーズ中3回に参加しているチームで、長年アスレチックスの番記者を務めるスラッサー記者の記事だけに、信憑性はかなり高そうだ。いずれにせよMLBの正式発表を待ちたいところだ。

 ただスラッサー記者の報道通り、アスレチックス対マリナーズになった場合、果たしてこれまでの開幕戦シリーズのように日本人ファンの関心を集めることができるのだろうか。改めて日本で開催された過去の開幕戦シリーズを振り返ってみよう。

・2000年 シカゴ・カブス対ニューヨーク・メッツ

・2003年 シアトル・マリナーズ対オークランド・アスレチックス

・2004年 ニューヨーク・ヤンキース対タンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)

・2008年 ボストン・レッドソックス対オークランド・アスレチックス

・2012年 シアトル・マリナーズ対オークランド・アスレチックス

 今更説明するまでもないと思うが、過去のシリーズはすべて“日本人選手絡み”になっている。03年、12年はマリナーズにイチロー選手が在籍し(12年に関しては岩隈久志投手も在籍)、04年はヤンキースに松井秀喜選手、08年はレッドソックスに松坂大輔投手、岡島秀樹投手の2人が在籍しており、彼らの凱旋シリーズとして注目を集めた。

 例外的に2000年は日本人選手が在籍していなかったが(1999年シーズン終了後にメッツが吉井理人投手をロッキーズにトレードしたため)、MLB初の日本開催の公式戦ということで人々の関心は高かった。さらにメッツは元ロッテ監督のボビー・バレンタイン氏が監督を務めていたし、カブスに在籍していたサミー・ソーサ選手も過去2年間マーク・マグワイア選手と熾烈な本塁打競争を演じたことで日本でも注目を集める選手だった。話題性は十分だった。

 現在マリナーズには岩隈投手が在籍しているものの、マイナー契約選手として右肩手術からの復帰を目指している状況だ。現時点で来シーズン同チームで開幕を迎えられるかどうか定かではない。2000年の佐々木主浩投手以来ずっと日本人選手が在籍してきたマリナーズは日本人にとって親しみのあるチームではあるが、逆に日本人選手がいなくなるかもしれないマリナーズへの興味が薄れることはないだろうか。

 さらにアスレチックスに至っては資金力のないチームらしくスター選手は不在で、ここ3年は地区最下位に沈んでいる。決して日本で人気が高いチームとは思えない。

 移動距離を考えれば、どうしても西海岸地域を拠点にしているチームが選ばれるのは仕方がない。しかしマリナーズ、アスレチックス以外のドジャース(前田健太投手)、エンゼルス(大谷翔平選手)、パドレス(牧田和久投手)、ダイヤモンドバックス(平野佳寿投手)の方が、来シーズンも日本人選手が在籍している可能性が高いはずだ。

 アスレチックス対マリナーズは本当に最善の選択なのだろうか。7年ぶりの日本開催だからこそ対戦カードは細心の注意を払い、日本人の関心を集められるものにすべきだと思うのだが…。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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