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今季限りで契約切れのCC・サバシアがヤンキース残留を熱望

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
ヤンキースで現役生活を終えたい希望を明らかにしたCC・サバシア投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ヤンキースの8年ぶりワールドシリーズ出場を賭けたア・リーグ優勝決定戦シリーズ第7戦に登板したCC・サバシア投手だったが、1失点ながら4回途中で降板し敗戦投手となり、残念なかたちで2017年シーズンが幕を閉じることになった。

 37歳のサバシア投手は今シーズン限りで契約が満了しこのオフにFA選手になるが、米国メディアにヤンキースで現役生活を終えたい希望を明らかにした。『CBS Sports』のマイク・アキサ記者が詳細を報じている。

 サバシア投手は「ここ(ヤンキース)は自分のホームだ。また戻ってきて、ここで終わりたい。自分がずっと所属したい場所だ」と話し、ヤンキースと再契約したい意志を示した。

 サバシア投手は2001年にインディアンズでMLBデビューを飾った後、FA権を取得した2008年シーズン途中にブルワーズにトレードされ、同シーズン終了後に7年総額1億6100万ドル(約180億円)でヤンキース入り。2009年には19勝で最多勝に輝くとともに、エースとしてワールドシリーズ制覇に貢献。その後2011年シーズン終了後に年俸2500万ドルで2017年までの契約延長に合意していた。

 今シーズンのサバシア投手の成績はチーム最多タイの14勝(5敗)を挙げ4年ぶりに2桁勝利を記録する活躍をみせたが、シーズン途中に負傷のため戦線離脱しており、投球イニング数はチーム4位の148.2イニングに留まっていた。2014年シーズンから負傷続きで投球イニング数も減少傾向にあり、すでに選手としてのピークは過ぎた感は否めない。

 ヤンキースはすでに、来シーズンの年俸総額を課徴金(ぜいたく税)支払いを免れる限度額内の1億9700万ドル(今シーズンの年俸総額は1億7000万ドル)以内に抑える計画を明らかにしている。仮に田中将大投手が契約解除のオプション権を行使した場合、田中投手と再契約するための高額予算を確保しなければならず、今シーズンはチーム最高額年俸だったサバシア投手との再契約は大幅減額が必至な状況といえる、

 サバシア投手の運命はかなり不確定要素が多いが、とりあえずは田中投手の動向が大きなカギを握っているようだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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