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レッドソックスのファレル監督が今季限りで退任へ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
レッドソックスがファレル監督(左)の退任を発表した。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 地区シリーズでアストロズに敗れたア・リーグ東地区覇者のレッドソックスが、早くもチーム強化に着手し始めた。チームは現地11日にリリースを発表し、ジョン・ファレル監督が今季限りで退任し、即座に新監督の人選作業に取り組むことを明らかにした。

 ファレル監督は2013年にレッドソックスの監督に就任し、1年目でチームをワールドシリーズ制覇に導いた。その後も在任5年間で3度の地区優勝に輝き、チーム史上初めて2016年、2017年地区連覇を成し遂げていた。通算成績も432勝378敗と勝ち越しており、勝利数はチーム史上6位にランクしている。

 しかし地区連覇を達成する一方で、ポストシーズンは2年連続地区シリーズで敗退しており、地元メディアからもファレル監督の続投を疑問視する声が挙がっていた。また地元メディアによると、チームも退任発表前の10日にデーブ・ドンブロウスキ球団社長がオーナー・グループとミーティングを行い、監督の去就について協議していたとしている。

 退任発表後にドンブロウスキ球団社長は記者会見を開き、以下のように説明している。

 「まず昨日現場スタッフと話し合った後、自分自身で判断した。その後ジョン・ヘンリーらオーナー・グループに自分の決断を相談したところ、彼らからも了承を得ることができた。そして今朝ジョンに直接チームの方針を伝えた。彼はプロフェッショナルに対応し、こちらの考えを尊重してくれるとともに我々を激励してくれた。

 今回の決定がファンを喜ばせるものかどうかはわからない。ただ2018年シーズンを迎える上でチームにとってより良い道だと思ったから決断を下した。(監督候補の)ある程度のリストはある。速やかに人選作業に入りたい」

 一方でファレル監督もレッドソックスを通して声明を発表している。以下に抜粋する。

 「今シーズンの結末は我々が望んだものとは違ってしまったが、私はチームを誇りに思っている。監督生活は山あり谷ありであったが、常に熱情を感じながらこの職務を満喫することができた。

 この貴重な機会を与えてくれ、ボストンにワールドシリーズ制覇をもたらしたいという自分の願望を共有させてもらえたことにオーナー・グループに感謝したい。これからも一生恩義を感じ続けることだろう」

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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