NFLで始まったトランプ大統領批判活動がMLBにも波及

MLBで初めて国歌斉唱の際にひざまずく行為を行ったブルース・マックスウェル選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現地23日に行われたアスレチックス対レンジャーズ戦での出来事だった。試合前に行われる国歌斉唱の際に、アスレチックスのブルース・マックスウェル選手が直立することなく、ひざまずきながら国歌を聴く行為を実行した。その姿をアスレチックス戦の中継を担当しているNBCSが動画付きでツイートしている。

 ツイートでも説明しているように、この行為を行ったのはマックスウェル選手がMLBで初めてのことだ。実は現在、トランプ大統領の人種問題への取り組みを批判する姿勢を示すため、NFL選手たちが国歌斉唱の際にひざまずく行為を始めたことで、大統領を巻き込んで大きな問題に発展しているのだ。

 このNFL選手の批判行動に対し、すぐさまトランプ大統領が汚い表現を交えて猛烈批判を行ったことで、NFL選手たちはさらに反発を強めている。また選手たちをしっかり管理できていないと批判を受けたNFLの組織自体も、ロジャー・グッデル=コミッショナーが「NFLに対する敬意の欠如」とする声明を発表し、各チームのオーナーたちも選手たちを擁護する発言を行うなど、収拾のつかない批判合戦が繰り広げられている。

 アスレチックスは今回のマックスウェル選手の行為について、「我々は、憲法が保障している権利と表現の自由を持つ選手たちを尊敬し、支持する」との声明を発表している。また試合後に報道陣に応じたマックスウェル選手は、今回の行為についてチーム関係者や他の選手たちに事前説明して了解を得ていることを明らかにした上で、今後も続けていく姿勢を示している。

 果たして今回のマックスウェル選手の行為は他の選手にも拡大していくのだろうか。偶然にもこの日、同じオークランドを拠点にする昨シーズンNBA王者であるウォリアーズがホワイトハウス訪問を辞退する声明を発表しており、今後はMLBばかりかNBAにも波及していく可能性が高い。

 まずはMLBがこの問題に関してどのような姿勢を打ち出すのか、ロブ・マンフレッド=コミッショナーをはじめとする関係者の動向に注目が集まるところだ。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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