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MLB公式サイトが大谷翔平を獲得できそうな5チームを大胆予想

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
MLB公式サイトでも高い関心を示している大谷翔平選手(写真:ロイター/アフロ)

 今回MLB公式サイト上でジョン・モローシ記者が14日付けで公開した記事のタイトルは以下の通りだ。

 『5 possible MLB landing spots for Ohtani(オオタニを獲得できそうな候補5チーム)』

 モローシ記者は、現時点では大谷選手がどこまで二刀流ができるのか、新ポスティング制度はどうなるのか、エージェントは誰が務めるか──等々の不確定要素が多いとしながら、独自の判断で大谷選手がフィットしそうなチームを5チームに絞り込んでいる。以下、そのチーム名と同記者が選んだ理由について紹介していきたい。

●ドジャース

 ダルビッシュ有投手の存在こそが、大谷選手にフィットする最大の理由だとしている。もし仮にダルビッシュ投手がオフにFA取得後チームを去った場合、ドジャースが彼に代わる右の大黒柱を必要しているのは確かだと解説している。さらにダルビッシュ投手がドジャースに残ったとしても、日本ハムで同じ背番号をつけ、大谷選手の憧れの存在だったダルビッシュ投手が大谷選手を惹きつける存在になると予想している。

 ただドジャースは、新労使協定により大谷選手にも適用される「外国人アマチュア選手」枠の選手獲得に使用できるプール金をすでに上限額以上使用してしまっているため、2018年7月2日まで用意できる契約金は30万ドルに制限されているとしている。

●ヤンキース

 ニューヨークの地元紙によると、ジーン・アフターマンGM補佐が大谷選手視察のため何度も来日しているほど、獲得に興味を示しているとしている。またトレードにより、プール金の増額にも成功している点を挙げている。

 またシーズンオフにはCC・サバシア投手、ヘイミー・ガルシア投手の2人がFA権を取得し、また田中将大投手も契約解除のオプション権を有しており、先発陣が危機的状況にあることも説明している。

●パドレス

 かつて大谷選手はMLBネットワークの取材に対し、もし2012年に直接MLB入りしていたとしたら、ドジャース、ジャイアンツ、レンジャーズのいずれかに入団していたと話しているという。その当時のレンジャーズで選手関連のディレクターを務め、大谷選手とも関係を持っていたAJ・プレラー氏が現在はパドレスのGMを務めているとしている。

 ただパドレスもドジャース同様にプール金の上限枠を使い切っており、30万ドルしか用意できない点、さらには2006年以来プレーオフに進出できていないチーム事情などの不安要素も挙げている。

●マリナーズ

 マリナーズはイチロー選手、岩隈久志投手、佐々木主浩投手と、多くの日本人選手が活躍できた歴史を有していると解説している。

 ただそれ以上に、チームは信頼できる先発投手を必要としている。今シーズンは岩隈投手をはじめ多くの投手に故障が続き、計17人の投手を先発で起用するほど厳しい状況にあった。さらに将来を見据え、現在の大黒柱であるフェリックス・ヘルナンデス投手を引き継ぐエース候補を欲しているとしている。

●レンジャーズ

 2012年当時から大谷選手と良好な関係を築いている。ジョン・ダニエルズGMをはじめチーム首脳陣も積極的に日本に足を運び、大谷選手を視察している。またダルビッシュ投手がレンジャーズで活躍できた実績からも、日本人選手の支援体制を整えているとしている。

 またヤンキース同様に、プール金をしっかり確保している点も挙げている。

 以上5チームを紹介した。果たしてモローシ記者の予想通りこの中のチームの1つが大谷選手を獲得することができるのか、注目したいところだ。ただ同記者も指摘しているように、まだまだ不確定要素が多いのも紛れも無い事実。他チームにも十分チャンスがあるようにも思える。

ちなみに記事の最後で、この5チームを含めプール金を使い果たしたチームと、まだ余裕を残しているチームも列挙している。大谷選手獲得競争に影響がありそうな要素なので併せて紹介しておきたい。

●30万ドルしか支払えないチーム

 アスレチックス、アストロズ、ブレーブス、カージナルス、カブス、ドジャース、ジャイアンツ、ナショナルズ、パドレス、レッズ、ロイヤルズ、ホワイトソックス

●プール金に余裕があるチーム

 エンジェルス、ブルージェイズ、ダイヤモンドバックス、レイズ、レッドソックス、ヤンキース

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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