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ジョーイ・ボットが観戦中のガン患者の少年にホームランバットとユニフォームをプレゼント

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
ホームランを打った後ガン患者の少年とハイタッチを交わすジョーイ・ボット選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 31日のレッズ対メッツ戦で、MLBらしい心温まる選手とファンの交流が繰り広げられた。

 7回のことだった。4-2の1死走者無しで迎えたチームの主砲、ジョーイ・ボット選手が今季34号となるソロ本塁打を右翼席に運んだ。さらに点差を広げる貴重な一打。ベースを回りホームに戻ってくると、ボット選手はバックネット裏で観戦していた少年の元に近寄り、そのままハイタッチを交わした。

 この幸運な少年はウォルター・ハーバート君、6歳。ステージ4の『ニューロブラストーマ(神経芽細胞腫)』と闘うガン患者だった。

 ウォルター君を歓喜させたのはこれだけではなかった。ベンチに戻ったボット選手は再びウォルター君の元にやって来ると、今度はホームランを打ったバットをプレゼントしてくれたのだ。更に試合終了直前になると、今度は自分が着用していたユニフォームまで届けてくれたのだ。ウォルター君にとって、まさに夢のような時間だったに違いない。

 この2人の交流について、動画付きでMLB公式サイトが紹介している。ぜひチェックして欲しい。

 実は2人は27日のパイレーツ戦で初めて顔を合わせていた。レッズの“名誉キャプテン”としてウォルター君が打撃練習に招待されたのを機に、ウォルター君の存在を知ったボット選手はその時もクラブハウスで記念撮影にも応じるなど歓迎していた。

 MLB公式サイトの記事によると、試合後ボット選手はウォルター君の両親が「今回の贈り物は彼にとって何ものにも換えがたいものになった」と話しているのを聞きつけ、たった一言「それがすべてだ」と発しただけで今回の交流についてコメントを差し控えたという。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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