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ダルビッシュの移籍先最有力候補はヤンキース、アストロズ、ドジャース?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
7月31日のトレード期限までダルビッシュ投手の獲得交渉が続きそうだ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ダルビッシュ有投手の移籍先について分析を行った記事をまとめているのが、『The Score』のブライアン・マクウィリアムス記者だ。

 最近ではMLB公式サイトなどが、レンジャーズがダルビッシュ投手をトレードしない方向に傾いていると報じているが、現在もレンジャーズが他チームと情報交換を行っていることに何ら変わりはない。トレード期限まで何が起こってもおかしくない状況なのだ。

 現在先発投手の補強を目指しているチームにとって最も関心を集めているのが、ソニー・グレー投手とジャスティン・バーランダー投手の2人だと言われている。実は今シーズン終了後にFA資格を得るダルビッシュ投手に対し、グレー投手は2020年までFA資格を取得できないし、バーランダー投手は2019年まで契約が残っている状態で、トレードで獲得後もしばらくはチームが保有権を有することができるためだ。

 そのためトレード交渉においても、短期間しか在籍しない可能性があるダルビッシュ投手に、グレー、バーランダー両投手並みの交換選手を用意するのはチームにとっても大きなリスクがあり、まだまだレンジャーズを満足させるだけの条件提示がないというのが現状だと見るべきだろう。

 だがマクウィリアムス記者が記事内で主張している通り、シーズン後半戦を戦い抜きプレーオフを勝ち抜くことだけを目的にするならば、ダルビッシュ投手が2投手以上に“a perfect rental(完ぺきなレンタル選手)”だという評価はMLB関係者の共通認識だと言っていい。まだまだダルビッシュ投手を諦めきれないチームは確実に存在している。

 そんな状況下で同記者は、レンジャーズが納得できる交換選手を用意でき、ダルビッシュ投手を獲得できるできる可能性があるチームを分析し、ヤンキース、アストロズ、ドジャースの3チームの名前を挙げているのだ。

 あくまで個人的な意見だが、最終的にはヤンキースとドジャースのどちからが、レンジャーズを納得させる条件提示を示せるかなのだと見ている。ヤンキースはア・リーグ東地区2位に甘んじている状態で、トミージョン手術を受けることになったマイケル・ピネダ投手を失った今、先発陣に起爆剤となる人材を欲している状態だし、またナ・リーグ西地区で独走態勢を固めているドジャースにしても、大黒柱のクレイトン・カーショー投手の長期離脱を余儀なくされ、彼の穴を埋められる安定した先発投手を是が非でも必要としている。

 しかも、だ。両チームともにMLB屈指の潤沢な資金力を有しており、シーズン終了と同時にダルビッシュ投手がFA宣言する前に長期大型契約で契約延長に持っていける可能性も十分にあるのだ。

 果たして8月のダルビッシュ投手は、どのチームのユニフォームに袖を通しているのだろうか?まだまだ目が離せない状況だ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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