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カブスがバーランダー獲得に興味か?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
メジャー通算178勝を記録するジャスティン・バーランダー投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

ツイートしたのはMLB公式サイトやMLBネットワークで活躍するジョン・モローシ記者だ。以下が本人のツイートだ。

立て続けに2つのツイートをアップしているのだが、まずカブスがタイガースに対し、ジャスティン・バーランダー投手とアレックス・アビラア捕手の放出の可能性について確認調査を行ったということ。続いてカブスのスカウトが、7月2日に先発したバーランダー投手の登板を現場で調査していた、というものだ。

今更説明するまでもなく、シーズン開幕前の予想に反しカブスはここまで厳しい戦いを強いられている。ナ・リーグ中地区ではダントツの戦力を誇っていると思われていたが、7月3日の時点で41勝41敗と勝率5割で、ブルワーズに2.5ゲーム差をつけられ2位に甘んじている。

その主な原因の1つが、先発陣の不調だ。昨年は先発投手防御率が両リーグトップの2.96と抜群の安定感を誇っていたが、今シーズンはここまで4.47とリーグ7位に沈んでいる。昨年はジョン・レスター投手、ジェイク・アリエッタ投手、ジョン・ラッキー投手、カイル・ヘンドリックス投手で4本柱を形成していたが、今シーズンはヘンドリックス投手が負傷で戦線離脱中で、さらに現在チームで最も安定しているレスター投手でさえ防御率3.69という状態。バーランダー投手も今シーズンここまで防御率4.96と決して良い成績を残しているわけではないが、カブスの先発陣を安定させるためには彼のような実績ある先発投手を必要としているのだ。

さらについ先頃、味方選手への問題発言でミギュエル・モンテロ選手がチームから放出されたばかり。現在25人枠には25歳のウィルソン・コントレラス捕手と23歳のビクトル・カラティニ捕手の若手2選手しかおらず、モンテロ選手に代わるベテラン捕手も補強しておきたいポイントだ。

モローシ記者のツイートによれば、まだカブス、タイガースの間で具体的な交渉には入っていないようだが、いずれにせよ巻き返しを図りたいカブスが、ウェーバー無しで選手を交換できる7月31日までのトレード期限内に実績あるベテラン選手の獲得に動くのは間違いなさそうだ。

カブスのマイナー組織には他チームが欲しがる有望若手選手が数多く在籍しており、カブスが真剣にトレードを画策しているのであれば、トレードを成立させる可能性はかなり高い。当面の間がカブスの動きに注視していかねばならないだろう。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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