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ボビー・バレンタインとデビッド・オルティスの間で論戦が勃発?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
2012年にレッドソックスの監督を務めた元ロッテ監督のバレンタイン氏(写真:ロイター/アフロ)

今回の騒動について報じているのが以下の記事だ。

Valentine responds to Ortiz's criticism : 2012 season 'went to hell'

記事の内容を簡単に紹介すると、長年レッドソックスの主力選手として活躍し、昨季限りで20年間の現役を引退したデビッド・オルティスが近々発売される自叙伝の中で、2012年に監督を務めていたボビー・バレンタイン氏を猛烈に批判しているということが明らかになった。

例えば、バレンタイン氏を“事態を悪化させ、横柄で失礼な(人物)”と形容するとともに、スプリングトレーニング中に起こった別の選手を叱責する事件を引き合いに出し、「あれが自分であったなら、ファンの前だろうと彼の元に駆け寄り殴っていただろう」と激しい口調で怒りを露わにしているのだ。

確かにバレンタイン氏が率いた2012年は、レッドソックスにとって最悪のシーズンだった。前年までワールドシリーズを2度制したテリー・フランコナ氏が8年間指揮をとった後を引き継いだものの、開幕から低迷。結局69勝93敗で地区最下位に終わり、シーズン終了直後にバレンタイン氏は解任されている。

これが今回のオルティス氏の自叙伝によると、バレンタイン氏はスプリングトレーニングからずっと選手との間でいざこざを繰り返されてきたというのだ。

このオルティス氏の批判に、バレンタイン氏も真っ先に反応した。CBSスポーツのラジオ番組に出演し、自らの釈明を行っている。

「自分の人生の中のたった6ヶ月間の出来事であり、自分が(監督として)携わった4000試合のうちの162試合のことだ。自分の人生にとって決して大きくはない。それでも最初の105試合ぐらいは悪くはなかったが、そこから最悪の事態に向かっていった。デビッドが主張するように、決していいものではなかった。

だが非常にタフな任務であり、その場に必要なシステムもなかった。自分は孤島に取り残されたような気分だった。自分はこれまで同様に最善を尽くしたが、明らかに十分ではなかった」

さらにオルティス氏が憤慨しているスプリングトレーニング中の事件については憶えているとしながらも、叱責は選手のミスであり、監督としてやらなければならないことだったと釈明し、また以下のようにオルティス氏の心情を気遣っている。

「自分のやり方でやろうしてしていた選手を叱責したことで彼を狼狽させてしまったのかもしれない」

バレンタイン氏がこのように釈明はしているものの、今回の騒動がこのまま鎮静化するようには思えない。

というのも2012年のレッドソックスは、エイドリアン・ゴンザレス選手やカール・クロフォード選手、ジョシュ・ベケット投手ら主力選手が次々に放出されたシーズンでもあった。当時から彼らもまたバレンタイン氏の采配に不満をもっていた選手たちだと報じられたりしていたのだ。

オルティス氏の自叙伝発売をきっかけに、そういった選手たちにも飛び火していきそうな可能性は十分にありそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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