九州に実在する心霊スポットを題材に、『呪怨』の清水崇監督が作り上げた『犬鳴村』

 実在する心霊スポットを題材に、『呪怨』の清水崇監督が作り上げたホラー映画。

 九州・福岡県にある旧犬鳴トンネル(犬鳴隧道)に関して語られる都市伝説があります。今は封鎖され廃墟となっているこのトンネルの先には、日本政府の統治が及ばない集落“犬鳴村”があり、そこに入った者は決して戻れない…。実際の犬鳴村はダムが作られたことによって水の底に沈んでいるのですが、この付近では殺人事件や自殺、拉致監禁事件などの不吉な出来事が何度も起きたため、SNSなどでは“最凶の心霊スポット”と呼ばれているのです。

 物語は一組のカップルが面白半分でこのトンネルに入り込んだことから始まります。それは臨床心理士をしている森田奏(三吉彩花)の兄である悠真(坂東龍汰)とその恋人・明菜(大谷凜花)でした。明菜はトンネルに入った日からおかしくなり、やがて不可解な死を遂げてしまいます。その後、「明菜の仇を討つ」と言って出掛けた悠真や奏たちの弟・康太(海津陽)が行方不明に。さらに、陸上にいながら溺死するという不可解な死亡事件も発生。一方で幼いころから強い霊感を持っている奏には、そこにいるはずのない不気味な存在が見えるようになります。すべての謎を解く鍵は、トンネルの向こうの犬鳴村にあるのか? 奏は犬鳴トンネルに向かうのですが、そこで彼女が知ったものとは…。

ヒロイン・奏に扮した三吉彩花
ヒロイン・奏に扮した三吉彩花

 映画完成前から話題を集め、撮影中に開催されたフィルムマーケットでは10か国以上のプリセールスが決定した作品。犬鳴トンネル自体は実在しますが、ストーリーや設定は映画オリジナルのものです。『ダンスウィズミー』でヒロインをコミカルに演じた三吉彩花が主人公の奏に扮し、恐怖におびえながらも自らの宿命を見届けようとする、弱さと強さを併せ持った女性を好演。高嶋政伸、高島礼子、石橋蓮司、寺田農、奥菜恵といったベテラン陣が脇を囲み、異様な雰囲気を盛り上げる役を果たしています。

 清水監督はショックシーンを散りばめながらも、どこかもの悲しさもある物語に仕立てていて、Jホラーというよりは、“怪談映画”といった感じ。いわゆる“心霊スポットに行ったらひどい目にあった”というタイプの映画ではなく、もっと日本的な“呪縛”のようなものが見えてくる作品になっています。

(『犬鳴村』は2月7日から公開)

配給:東映

(C)2020 「犬鳴村」製作委員会