迫り来る有毒ガス。ひたすら上へ逃げろ! 韓国で大ヒットしたサバイバル・パニック映画『EXIT』

 この夏に公開された韓国では、あの『ライオン・キング』を抑えて初登場1位を記録したヒット作。有毒ガスからひたすら上に向かって逃げる、という単純なプロットながら、さまざまな趣向を凝らして手に汗握らせてくれるサバイバル・パニック映画です。

 大学を卒業したものの何年も就職先が決まらず、公園の鉄棒で体を鍛えるしかやることのないヨンナム(チョ・ジョンソク)。母親の古稀を祝う会の会場で、そこに勤めていた大学の山岳部の後輩のウィジュ(ユナ)と再会します。かつて想いを寄せていた彼女との偶然の出会いに心躍らせるヨンナム。しかしその頃、自爆テロを目論んだ男が、街に大量の致死性有毒ガスを散布してしまいます。助かるにはビルの上階へと行かなければならない! しかし、人々の前にはいくつもの難関が待ち構えていたのです。

 前述した通りにストーリーは単純。しかし、次々とピンチが襲うので中だるみはありません。鍵のかかった屋上に出るために壁面を命綱なしによじ登る決死のロッククライミング(ボルダリング)。重量制限のため救助のヘリから取り残されるヨンナムとウィジュ。タイムリミットのある防毒マスク。命がけの綱渡り。向かいのビルに取り残された子供たちの救出。ガスに追われながらの疾走。まさに“一難去ってまた一難”の連続です。

 面白いのは、パーティー会場にあった日用品(ゴミ袋、チョーク、ロープ、ゴム手袋、花火など)が意外な活躍を見せてくれることで、昔のTVシリーズ『冒険野郎マクガイバー』的な趣向が楽しめます。

 また、就職難、貧富の差(ヘリによる救出は高層ビルにいる富裕層から行なわれ、主人公たちがいるような低層ビルは後回しにされる)といった描写には韓国の世相が反映されています。スマートフォン、SNS、ドローン、動画投稿サイトといったものがフル活用されているのも、いかにも今の映画らしいところ。

 主演の二人は山岳部出身の設定のため猛トレーニングの末、撮影に挑んだとのこと。人気ガールズグループ少女時代のユナはこれが映画出演2本目。前作の『コンフィデンシャル/共助』では小さな役でしたが、本作では気丈なヒロインをしっかりと熱演しています。

(『EXIT』は11月22日から公開)

配給:ギャガ・プラス

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