あの『T2』に直結した正統続編が28年ぶりに登場!『ターミネーター:ニュー・フェイト』

 今回、公開される『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、『ターミネーター』『ターミネーター2』(以降は『T2』と表記)に直結した続編です。したがって、その後に作られた映画の『ターミネーター3』『ターミネーター4』、TVシリーズの『ターミネーター:サラ・コナー・クロニクルズ』、シリーズ全体をリブートした『ターミネーター/新起動:ジェニシズ』はすべて“なかったこと”にされています。この構図は今年新作が日本公開された『ハロウィン』シリーズに似ていますね。そういえば、かつて狙われたヒロインが武装して襲撃に備えているあたりの立ち位置もそっくりです。

 1997年の“審判の日”に起きるはずだったサイバーダイン社のAIスカイネットによる機械の反乱を未然に防ぐことに成功したサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)と息子のジョン。しかし98年に彼女たちはある事件に巻きこまれてしまいます。時は流れて22年後(2020年、つまりほぼ現在です)、メキシコシティに住む一人の若い女性ダニー(ナタリア・レイエス)が未来からやってきた刺客であるターミネーターREV-9(ガブリエル・ルナ)の襲撃を受けます。間一髪、彼女を救ったのはグレース(マッケンジー・デイヴィス)と名乗った女性。彼女もまた未来から来た存在で、肉体に改造を施して機動力やパワーを増強したスーパーソルジャーなのでした。

 ターミネーターによる追撃からの決死の逃避行という基本ストーリーはかつての作品と共通するもの。そこに、武装して戦士となったサラ・コナーやアーノルド・シュワルツェネッガー扮する旧式ターミネーターT-800が絡んでくることによって、独自の展開を見せてくれます。

 今回の敵にあたるREV-9は金属炭素の内骨格を黒色の流体金属が覆っているという構造で、触れた相手の外見に変身することが可能という点は『T2』に登場したT-1000同様。しかも今回は内骨格と流体金属が分離して別々に行動することが可能で、内骨格が破壊されてもすぐに復元が可能という強敵です。知能も進化していて、これまでのターミネーターがひたすら無表情に標的を追撃していたのに比べると表情も豊かになり、ネットにハッキングして防犯カメラの映像から標的の居場所を割り出したりと高性能になっています。ほぼ無敵の存在なので、「いったい、どうやったらこいつを倒せるんだ?」と観ていて不安になるほど。

 シリーズの生みの親ジェームス・キャメロンのもとに製作権利が帰ってきたことにより、『T2』以来となるプロデューサー復帰。シュワルツェネッガーとリンダ・ハミルトンが28年ぶりの再共演ということも話題のこの作品を監督したのは『デッドプール』のティム・ミラー。ハリウッドならではの物量作戦を展開し、破壊に次ぐ破壊、アクションもチェイスも山盛りで、このジャンルが好きならお腹いっぱいになることでしょう。その中に、時間テーマ映画ならではの人間ドラマもしっかりと入っています。

 ところで、「スカイネットがなくなったのに、なぜまたターミネーターが?」という疑問に関しては、なんともやるせない答えが返ってきます。このあたりのシニカルな姿勢(原題は『ニュー・フェイト』ではなく『DARK FATE』ですしね)が、いかにもキャメロンと言えるのかもしれません。

(『ターミネーター:ニュー・フェイト』は11月8日から公開)

配給:20世紀フォックス映画

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