家の地下室に人喰いワニが!嵐の接近で水没の危機も…。決死のサバイバルを描く『クロール ー凶暴領域ー』

『死霊のはらわた』のサム・ライミが製作にあたり、『ハイテンション』のアレクサンドル・アジャが監督したワニ映画。日本では動物園か水族館ぐらいでしかお目にかかれないワニですが、アメリカの南部の湿地帯では“今、そこにある脅威”なのです。そんなワニの集団に襲われたある父娘の決死のサバイバルを描いたサスペンス。

 フロリダ。大学の水泳選手ヘイリー(『メイズ・ランナー』のカヤ・スコデラリオ)は、疎遠になっている父親デイブ(『プライベート・ライアン』のバリー・ペッパー)と連絡が取れなくなったことから、超巨大ハリケーンが近づく中、実家へと向かいます。やがて地下室で父を発見しますが、彼は重傷を負っていました。そこに出現したのは巨大なワニ(アリゲーター)。ヘイリーはスマホを壊され、右足をワニに噛まれて行動の自由を奪われてしまいます…。

 なぜか家の地下室に侵入していた巨大ワニ。しかもハリケーンによる豪雨で道路が冠水、地下室にも水が流れ込んできて、水没の危機が刻一刻と迫るのです。ヘイリーもデイブも負傷していて思うように動けず、周辺の家は避難が完了しているため、助けを求める声はどこにも届きません。ワニの群れは街中に広がり、さらに激しさを増すハリケーンによって、堤防決壊の危機も…。

 ワニに襲われた家からの脱出というワンシチュエーションに絞った映画ですが、さすがにこのスタッフが手がけただけあって、あの手この手で観客を驚かせ、息つく暇を与えません。一難去ってまた一難の連続で、スピルバーグの『ジョーズ』のように一体のサメを倒せば終わりということはなく、次から次へとワニが現れ、襲いかかってくるのですから。犠牲者たちが食いちぎられるショック・シーンももちろん用意されています。しかも敵はワニだけではなく、自然災害の脅威とのダブルパンチ。そんな中で、なぜ親子が疎遠だったのかが明らかにされ、家族の絆の復活を描く人間ドラマもちゃんと含まれているという、盛りだくさんな内容を88分に凝縮したエンターテインメントになっているのです。

 なお、タイトルの『クロール』には、「這いまわる」という意味があり、ワニのことをさしていますが、ヒロインのヘイリーが水泳のクロールの選手なので、一種のダブルミーニングになっています。エンディング・ソングもワニにまつわる歌というお遊びも…。

(『クロール -凶暴領域-』は10月18日から公開)

配給:東和ピクチャーズ

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