ヒトラーが恐竜に乗って攻めてきた! さらに意外な面々が爬虫類に…『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』

「月の裏側からナチスがUFOに乗って攻めてきた!」という奇想天外な設定とブラックユーモアあふれる展開が話題を呼び、大ヒットした2012年のSFアクション『アイアン・スカイ』の続編です(同作の結末に触れていますが、それでないと話が前に進まないのでご了承ください)。

 月の裏側から地球侵略を開始したナチス第四帝国を撃破したものの、世界各国の内輪揉めで起きた核戦争により地球は荒廃。わずかに生き延びた人類は月面のナチス基地に逃げ込み、そこで元月面ナチスと共存していました。しかし、それから30年が経過した2047年、月のエネルギーは枯渇し、滅亡の危機に。そんな中、機関士のオビ(ララ・ロッシ)は地球の深部に超エネルギー“ヴリル・ヤー”を集めた“聖杯”が存在すると聞かされ、仲間たちと地球に降り立つ決意をします。そこで彼女たちを待っていたものとは…。

 前作の「月の裏側にナチス」に代わる今回の設定は「地球空洞説」。なんとそこには恐竜たちが生息し、あのアドルフ・ヒトラーも生きていたのです! というわけで、今回のトンデモ設定は“ヴリル協会”。かつて宇宙から飛来してきた彼らは恐竜時代の地球に文明を築き上げ、隕石の飛来による氷河期を避けるために地底に移動したと語られますが、その姿はヒト型爬虫類。レプティリアンと呼ばれている彼らは人類史の節目に登場し、独裁者として人類を操っていたことになっています。こうしてヒトラーをはじめ、オサマ・ビンラディン、チンギス・ハーン、ローマ法王、マーガレット・サッチャー、金正恩、マーク・ザッカーバーグ、スティーヴ・ジョブズといった面々が爬虫類化した姿で登場するという悪ノリたっぷりの展開になるのです(大丈夫か、これ…と心配にもなりますが)。

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あの人も、この人もレプティリアンとして登場
あの人も、この人もレプティリアンとして登場

 真面目な人なら怒り出しそうなお話ですが、前作を笑って楽しめた冗談のわかる人なら大丈夫でしょう。監督・脚本のティモ・ヴォレンソラはSF小説や日本のアニメのマニアで、さまざまな作品に描かれたネタをごった煮にしているのです。前作でナチスの伍長を演じたユリア・ディーツェが月基地の司令官役で出演(ヒロインのオビは彼女の娘という設定です)。ウド・キアは前作と同じ月面ナチス総統コーツフライシュとアドルフ・ヒトラーの二役で登場。月のジョブズ教(笑)のリーダー役で「チャーリーズ・エンジェル」のトム・グリーンが共演しています。

今回もブラックな笑いのネタがいっぱい
今回もブラックな笑いのネタがいっぱい

 ところで前作のもうひとつの話題が、クラウドファンディング(実質的にはカンパ)で約1億円の製作費を集めた、という点でした。本作も同様の手法が使われ、前作を超える1億5千万円もの資金が集められています。しかもその中には「作品への出演権」も含まれ、素顔の役、爬虫類メイクの役、恐竜に食われる役、さらにアップもありと、支払額が増えるごとに役のステータスも上がっていくというユニークなシステム。これによって俳優に支払う出演料もかなりの節約になっているはずで、その分を恐竜などのVFXにつぎ込むことで大作感を出しているのです。

(『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』は7月12日から公開)

配給:ツイン

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