再び始まる時の無限ループ、しかも今度はパラレルワールドに飛ばされて…『ハッピー・デス・デイ 2U』

前作『ハッピー・デス・デイ』のレビューはこちらにあります

 最初にご注意。本作は『ハッピー・デス・デイ』の続編であり、前作を観ていることを前提にして作られています。したがって前作を観ずにいきなり本作を観ると面白さがかなりダウンしますので、前作をご覧になってからの鑑賞をおススメします。

 前作のラストで時の無限ループからの脱出に成功した女子大生のツリー(ジェシカ・ロース)は、恋人カーター(イズラエル・ブルサード)と新しい朝を迎えていました。しかしその頃、カーターのルームメイトで前作ではチョイ役だったライアン(ファイ・ヴ)が時のループに巻き込まれていたのです。彼から相談を受けたツリーは同じ経験者の先輩としてライアンを助けようとしますが、ライアンを狙う殺人鬼の意外な正体が発覚。それが原因となって、再びツリーは悪夢のような誕生日の無限ループに引き戻されてしまいます。

 しかし、そこは以前とは何かが違う? どうやらパラレルワールドに飛ばされてしまったようで…。

マスクの殺人鬼に襲われるライアン
マスクの殺人鬼に襲われるライアン

 というわけで、今回はSFの要素がプラス。なぜ時のループが発生したのかの謎も解かれます。前作はまだスラッシャー・ホラーの色が残されていましたが、今回はかなりコメディーに寄った作りに。無限ループを止める方法を探るため、ツリーは殺人鬼に殺されるのを待たず、自ら何度も命を絶って同じ日を繰り返したりするのですから。やけくそになって、死に方がエスカレートしていくツリーの描写はかなり笑えます。

 一方で、映画は予想外の側面も見せてくれます。実は前作ではツリーはある喪失感に苛まれていたのですが、現在彼女がいる世界では、その“失われたもの”が存在していたのです。この世界に留まるのか、それとも元の世界に帰るべきか? かつての『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(カーターの部屋にポスターが貼ってある)シリーズでは過去へのタイムトラベルによって変わってしまったより良き現在を主人公たちはあっさり受け入れていましたが、この映画ではそこに疑問を投げかけていきます。そして、その選択に悩むツリーの姿を通して、今回はまさかの感動ドラマの展開が待っているのです。

 前作撮影前は続編の構想などしていなかったというクリストファー・ランドン監督は、ポスプロ中にアイディアがひらめき、本作では自ら脚本も執筆。前作の大ヒットを受けて、キャスト陣も同じ役で続投しています(おもにお笑い担当の新キャラも多数登場)。特徴は同じ人物なのにキャラクター設定が変わっている点。前作の真犯人はこの世界では犯人ではなく、ただのいい人。むしろ守らなければならない対象になっていたりもするのです。では、今回のマスクの殺人鬼は誰? このあたりは前作を観ているからこそ楽しめる部分。かなりひねったストーリー展開が楽しめる続編映画です。

(『ハッピー・デス・デイ 2U』は7月12日から公開)

配給:東宝東和

(C)Universal Pictures